介護施設を見学する際のポイント|必要性や確認項目、質問事項を解説します

介護施設を見学する際のポイント|必要性や確認項目、質問事項を解説します

介護施設の選択にあたって「実際に見学する必要があるのだろうか」と悩んでいませんか。パンフレットやホームページの情報だけではわからない部分も多く、後悔しない施設選びのために見学はとても重要です。本記事では、介護施設を見学する必要性や見学までの流れ、見学時にチェックすべきポイントや質問事項、そして見学時の注意点を解説します。

小田村 悠希

監修社会福祉士:
小田村 悠希(社会福祉士)

・資格:社会福祉士、研修認定精神保健福祉士、介護福祉士、福祉住環境コーディネーター2級
・経歴:博士(保健福祉学)
これまで知的障がい者グループホームや住宅型有料老人ホーム、精神科病院での実務に携わる。現在は障がい者支援施設での直接支援業務に従事している。

介護施設の見学が必要な理由と見学する方法

介護施設の見学が必要な理由と見学する方法

介護施設選定時に見学が必要な理由を教えてください

介護施設を選ぶ際には見学に行くことをおすすめします。実際に足を運ぶことで、入居者の生活の様子やスタッフの対応、施設全体の雰囲気を肌で感じることができます。パンフレットやWebの情報では伝わらない部分も多く、「こんなはずではなかった」と後悔しないために、自分の目で施設の実態を確認することが重要です。見学時には現在入居している方々の表情や過ごし方、スタッフの働きぶりもチェックできます。見学は入居を検討する家族に安心感を与えるだけでなく、施設側にとっても入居後のミスマッチを防ぐメリットがあります。

介護保険を利用する場合の、介護施設を見学するまでの流れと手続きを教えてください

介護保険を利用して、特別養護老人ホームや介護老人保健施設など介護施設への入居を検討する場合、大まかな流れは以下のとおりです。

手順 内容

① 要介護認定の取得 ・市区町村に申請して要支援・要介護認定を受ける
・認定結果により利用できる介護サービスや入居可否が決まる
・施設入居の前提となる要介護度が確定する

② ケアマネジャーなどへの相談 ・認定結果をもとにケアマネジャーや地域包括支援センターに相談
・入居可能な施設の情報提供を受ける

③ 施設の情報収集 ・候補施設からパンフレット・申し込み書を取り寄せて比較
・自治体の介護サービス情報公表システムでも確認可能
・費用・サービス内容・立地などを家族で整理

④ 見学予約 ・気になる施設に連絡して見学日程を予約

⑤ 施設見学 ・家族で施設を訪問し設備・雰囲気・スタッフ対応を確認
・要介護度や健康状態を伝えて受け入れ可否を相談

⑥ 入居申し込み ・希望施設に申し込み書類を提出
・介護保険施設は要介護度・緊急度により入居優先度が判断

以上が介護保険利用の大まかな流れです。できれば複数施設を比較検討することが望ましいでしょう。

全額自己負担の介護施設を見学するために必要な手続きを教えてください

入居一時金や月額費用を全額自己負担する民間の介護施設を見学する場合、手続きはよりシンプルです。基本的な流れは以下のとおりです。

手順 内容

① 情報収集と候補選定 ・インターネット検索や紹介事業者(高齢者施設紹介所)を活用して探す
・立地・費用・サービス内容など希望条件で絞り込み
・複数施設のパンフレットや資料を取り寄せ比較検討

② 見学予約の連絡 ・候補施設へ電話・メールで見学希望を伝える

③ 施設見学当日 ・受付で見学の旨を伝え、担当者の案内で施設内を見学
・設備・サービス・雰囲気の確認、質疑応答を実施
・費用や契約内容の説明も受けられる

④ 入居申し込み ・希望施設へ申し込み書を提出
・民間施設は空室状況や先着順に応じて契約へ進む

全額自己負担の施設の場合、介護保険の認定がなくても入居できる場合があります。しかし、医療的ケアの対応範囲や介護度の上限は施設ごとに異なるため、見学時に自分の家族の状態で問題なく入居できるか、また将来的に介護度が重くなっても対応可能かをしっかり確認してください。手続き自体は難しくありませんが、費用負担が大きいため契約内容を十分納得したうえで決めることが大切です。

介護施設を見学する際のポイントと確認事項

介護施設を見学する際のポイントと確認事項

介護施設のサービスはどのような点をチェックするとよいですか?

介護施設が提供するサービス内容については、以下のようなポイントを重点的にチェックしましょう。

項目 内容

介護・看護体制 ・介護職員・看護師の人数や資格を確認
・夜間帯のスタッフ数、看護師常駐の有無は特に重要
・重度介護や医療ケアが必要な場合は、夜間を含め手厚い体制があるか確認

受け入れ範囲 ・対応可能な介護度を確認
・認知症対応の可否
・経管栄養・インスリン注射など医療行為への対応可否
・状態悪化しても退去せず住み続けられるか

提供サービスの内容 ・食事:回数、栄養バランス、刻み食・ミキサー食対応の有無
・入浴回数、特殊浴槽の有無
・専門スタッフの有無、頻度、内容
・体操・手芸・季節行事など内容と頻度

介護方針と雰囲気 ・自立支援重視か、個別ケア重視かなどのケア方針を確認
・見学時のスタッフと入居者の関わり方から雰囲気を把握

これらのポイントを事前に確認しておくことで、入居後に「思っていたのと違った」というミスマッチを減らすことができます。

介護施設の建物や設備のチェックポイントを教えてください

施設のハード面は、清潔さと安全性を中心に確認します。具体的には次のポイントに注目しましょう。

項目 内容

清潔さ・衛生管理 ・玄関・共用スペースが清潔に保たれているか
・悪臭や過度な消臭剤の匂いがないか

設備の安全性・バリアフリー ・手すりの設置状況、段差解消の有無
・スロープ・エレベーターの有無
・車椅子で移動しやすい廊下幅やドア幅か
・転倒防止に配慮した床材か
・居室・トイレ・浴室に緊急呼び出しボタンがあるか

居室の環境 ・個室の広さ、日当たり、換気、冷暖房設備
・収納スペースの有無
・コンセントやテレビ回線の位置が使いやすいか
・多床室の場合はカーテンでプライバシー確保できるか、同室者の状況も確認

共有スペースの充実度 ・食堂・談話コーナー・機能訓練室・庭などの広さや使いやすさ
・カフェ風スペースや多目的室などの充実度

ハード面は目で見てわかる重要なチェックポイントです。直感的な印象も含め、総合的に判断することが後悔しない施設選びにつながります。

入居者さんやスタッフの様子も観察した方がよいですか?

介護施設見学では、入居者の表情や活動的な様子を観察し、活気の有無を確認しましょう。スタッフについては、案内役以外も挨拶や笑顔での対応がよいか、入居者への優しい声かけや接し方を見ることが重要です。可能であれば、食事介助やリハビリなどの実際のケア場面を垣間見て、スタッフの余裕や丁寧さをチェックします。入居者とスタッフが笑顔で会話している施設は信頼関係が築けている証拠です。短時間の見学ではわからないこともあるため、複数回あるいは異なる時間帯での見学や体験入居も検討するのもよいでしょう。

食事やレクリエーションはどのような点に注目するとよいですか?

食事とレクリエーションは、入居後の生活の満足度を左右する重要な要素です。それぞれ以下のポイントに注目しましょう。

項目 内容

食事の内容と提供方法 ・栄養バランス・品数・味付けを献立表や写真で確認
・可能なら試食して味を実際にチェック
・刻み食・ミキサー食、糖尿病食・減塩食など特別食への対応状況
・居室配膳の可否
・食事介助の体制

おやつ・水分補給 ・午後のおやつの提供回数や内容
・水分補給の声かけ頻度

レクリエーションやイベント ・体操・制作活動・ゲームなど日々のレク内容と頻度
・音楽療法など外部講師の有無
・本人の趣味に合い無理なく参加できる内容か

機能訓練(リハビリ) ・理学療法士・作業療法士など専門職の配置状況
・平行棒・エルゴメーターなどリハビリ設備の充実度

食事やレクリエーションは施設生活の楽しみとなる部分です。見学時にはぜひスタッフに詳細を質問し、その施設で充実した日々を送れるイメージが持てるかを重視して選ぶとよいでしょう。

配信元: Medical DOC

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