「新潟市動物愛護センター」は大規模な施設とは違い、設備的にも予算面でも限りがあるといいます。しかし、センター内に全国初の官民一体で運営する猫の不妊手術専門病院をオープンさせるなど、一人ひとりの想いをつなぎ、力を合わせてさまざまな取り組みに挑み続けています。
*記事内容はすべて2025年10月1日現在のものです。

引用元:写真提供/新潟市動物愛護センター
「新潟市動物愛護センター」(以下、愛護センター)は、市街地に広がる湖沼・鳥屋野潟のほとりに位置し、広大な敷地に4つの施設が集まる複合施設「いくとぴあ食花」の一角にあります。中でも、「新潟市動物ふれあいセンター」(以下、ふれあいセンター)に隣接しているのが愛護センターです。
「愛護センターで収容した猫は、新しい飼い主さんに引き渡せる状態になるとふれあいセンターに移し、来場者とマッチングさせる流れになります。しかし今は猫が増え、ふれあいセンターだけでは収まりきらないため、愛護センターでも引き渡しを行っています」
お話をうかがった愛護センター職員の宮﨑あゆみさんは「収容できる数に限りがあり、猫があふれてしまうことが課題」と話します。
「猫にはストレスなく過ごしてほしいので、本当は愛護センターにも上下運動できる多段ケージを増やしたいと思っているんです。でも、予算の問題もありますし、スペースをとるので収容できる猫の数が減りますよね。なかなか難しくて……。ふれあいセンターの子猫部屋の場合は多段ケージが並び、相性のいい猫同士は外に出して遊ばせることができますが、愛護センターでも、たまに床にマットレスを敷いて、できるだけ遊ばせるようにしています」
小さな工夫と努力を重ねるしかないですね、という宮﨑さん。しかし、さらにお話をうかがっていると、関係者の方々の小さな力が集結し、独自の取り組みを生み出している様子が見えてきました。

引用元:写真提供/新潟市動物愛護センター

引用元:写真提供/新潟市動物愛護センター
毎年、猫があふれてしまうという愛護センターですが、収容状況は年ごとに異なるそうです。
「4月から8月までに収容した子猫は、昨年は186匹でしたが、今年は110匹と少なくなりました。ただ、引き取り手の数が半減し、いまだに50匹ほどがいます。成猫は昨年よりも増え、この5カ月で50匹以上が収容されました」
子猫は、外猫が繁殖したケースがほとんど。成猫は、高齢の飼い主さんが飼えなくなったケースが多いといいます。
「高齢の飼い主さんの場合、猫もシニアのことが多く、引き取り先がなかなか見つかりません。愛護センターで長期収容になると猫がかわいそうなので、最初にご自身と猫の将来の見通しを立てた上で飼い始めていただきたいです」
そうした飼えなくなった人のためには、愛護センターではインスタグラムも活用しています。市民から「新しい飼い主さん募集」の情報を預かり、愛護センターのインスタグラムに掲載するという施策です。その投稿を見た人から連絡が来て、新たな飼い主さんが見つかることも少なくありません。
また、「迷い猫を探しています」といった情報も掲載可能。インスタグラムは、市民が動物に関する困りごとを発信するコミュニティとしても機能しています。

引用元:写真提供/新潟市動物愛護センター
出典/「ねこのきもち」2025年12月号『猫のために何ができるのだろうか』
取材/野中ゆみ
※この記事で使用している画像は2025年12月号『猫のために何ができるのだろうか』に掲載しているものです。
