知的障害が疑われた場合の相談先とサポート

どのようなタイミングで受診すべきですか?
受診すべきタイミングは、患者さんの年齢や直面している困難の性質に応じて判断されます。乳幼児期には、発達の遅れが疑われた場合に受診を検討します。ただし、乳幼児期の発達は個人差もあるため、経過をみることがあります。学齢期では、基礎的な学習の困難さが持続し、学年が上がってもその遅れが解消されない場合などに受診を検討します。なお、乳幼児期には自治体の健診で指摘を受けた場合や、学齢期には学校の先生から助言や相談があった際も、受診を検討するタイミングです。成人期には、職場や人間関係での困難さが続く場合に受診を検討します。
このように、それぞれの患者さんの年齢などによって受診すべきタイミングは異なります。一つの目安として、日常生活や社会生活に支障をきたし始めたときは、相談や受診を検討すべきタイミングといえるでしょう。
知的障害かと感じた場合は何科を受診すればよいですか?
知的障害かと感じた場合に受診する診療科は、年齢によって異なります。子どもの場合は、小児科や小児神経科、児童精神科があります。特に小児の知的障害を含めた神経発達症の診療を専門に行っている病院もあります。どこを受診すればよいかわからない場合に、かかりつけの小児科などがあれば、まずはそちらで相談するのもよいでしょう。成人の場合は、精神科や心療内科を受診します。
知的障害に対する生活支援や福祉制度はありますか?
知的障害を持つ患者さんとそのご家族に対して、さまざまな生活支援や福祉制度が用意されています。代表的なものが療育手帳の制度です。療育手帳は知的障害のある方に交付される障害者手帳で、取得するとさまざまな支援を受けることができます。具体的には次のようなものが挙げられます。
障害者総合支援法に基づく障害福祉サービス(居宅介護、生活介護、就労支援など)
特別児童扶養手当や障害児福祉手当などの経済的支援
公共交通機関の運賃割引
税金の控除や減免
公共施設の利用料減免
ただし、これらの支援内容はお住いの自治体によって異なる場合があります。このほかにも障害基礎年金などの経済的支援もあり、知的障害のある方とその家族を支える社会支援は数多く存在します。
編集部まとめ

知的障害は知的な能力と適応行動で制限がみられる状態です。日常生活や社会生活に支障をきたしますが、その症状は障害の程度によってさまざまです。幼い頃からその症状が現れる方もいれば、成人期に明らかとなる方もいます。知的障害が疑われる場合は、早めに専門機関へ相談することが大切です。療育手帳を取得すると、いろいろな支援を受けられます。気になる症状があれば、ご本人やご家族だけで悩まずに早めの相談、受診を検討しましょう。
参考文献
『6A00 Disorders of intellectual development』(ICD-11 for Mortality and Morbidity Statistics)
『知的障害児(者)基礎調査:調査の結果』(厚生労働省)
