以前の私とはちがう!ママ友に反撃!
以前の私なら、ここで「いいよ」と言っていたでしょう。
しかし、今の私には、強い意思があります。私は深呼吸をし、ふるえる声を抑えながら、彼女の目を見て言いました。
「綾さんって、バーコード決済アプリを使ってるよね?ここのカフェ、コード決済できるみたいだよ」
綾さんの表情がかたまりました。
彼女は一瞬、何を言われたのか理解できない…といった様子で私を凝視し、それから少しあわてたようにスマホを取り出しました。
「あ、ああ、そうだね!コード決済できるんだ!ごめんごめん、今やるね」
彼女はおどろくほど、すんなりと代金を支払いました。
「言えば自分で払うんだ」警戒心が解けた私
「いやー、助かったよ。前、このカフェ、現金払いだけだったからあせっちゃったー。やっぱり、るいさんはしっかりしてるね!」
彼女はいつもの笑顔に戻り、何ごともなかったかのように店を出ました。
「また、お迎えでねー」
綾さんと別れた後、彼女に意見をできた達成感が、じわじわと胸に広がっていくようでした。
(言えば自分で払うんだ)
同時に、すんなりと支払いを済ませた彼女への安心感が、私の警戒心を解いてしまったのです。
しかし、それは、彼女という人間の一部を理解したに過ぎませんでした。
彼女のルーズさは、こちらの想像をはるかに超えていたのです。この小さな成功が、後に続く、大きな失望の伏線になるとは…。
その時の私は、まだ気づいていませんでした。

