カリウムは健康維持に欠かせないミネラルですが、特定の薬剤や食材との組み合わせによっては、身体に悪影響を及ぼす可能性があります。本章では、カリウムと併用する際に注意が必要な薬剤や食品について、具体的なリスクと対策を解説します。

監修管理栄養士:
武井 香七(管理栄養士)
保有免許・資格
管理栄養士資格
カリウムと避けるべき組み合わせと注意点
カリウムは健康維持に欠かせないミネラルですが、特定の薬剤や食材との組み合わせによっては、体内のカリウム濃度が過度に上昇し、健康リスクを招く可能性があります。
カリウム保持性利尿薬との併用リスク
カリウム保持性利尿薬(スピロノラクトンやトリアムテレンなど)は、尿中へのカリウム排泄を抑制する作用を持つため、カリウムを多く含む食材やサプリメントと併用すると高カリウム血症を引き起こすリスクが高まります。とくに腎機能が低下している方や、ACE阻害薬・ARB(血圧を下げる代表的な薬(降圧薬)の種類)などの降圧薬を併用している方は、血液中のカリウム濃度が上昇しやすくなります。
これらの薬剤を服用している場合は、医師や薬剤師の指導のもとで食事内容を調整し、カリウムの過剰摂取を避ける必要があります。バナナやアボカド、ほうれん草などカリウムが豊富な食材の摂取量を控えめにし、定期的な血液検査で血清カリウム値を確認することが推奨されます。自己判断でサプリメントを追加することは避け、かならず医療従事者に相談することが重要です。
塩分代替品との過剰摂取リスク
減塩を目的として販売されている塩分代替品(低ナトリウム塩)には、ナトリウムの代わりにカリウムが使用されているものが多くあります。通常の食事に加えてこれらの製品を多用すると、意図せずカリウムの摂取量が増加し、高カリウム血症のリスクが高まる可能性があります。とくに腎機能が低下している方や、カリウム保持性利尿薬を服用中の方は注意が必要です。
塩分代替品を使用する場合は、製品のパッケージに記載されているカリウム含有量を確認し、1日の総摂取量が適正範囲を超えないように管理することが大切です。また、減塩を実践する際は、塩分代替品に頼るだけでなく、香辛料や酢、レモン汁などを活用して風味を引き出す工夫をすることで、カリウムの過剰摂取を防ぎながら美味しい食事を楽しむことができます。
まとめ
カリウムは体液バランスの維持や神経・筋肉の正常な働きに欠かせないミネラルであり、日常の食事から自然に摂取することができます。不足すると筋力低下や不整脈などの症状が現れ、過剰摂取は高カリウム血症のリスクを高めるため、適切な量を意識することが重要です。マグネシウムやビタミンB6との組み合わせで効果を高める一方、カリウム保持性利尿薬や塩分代替品との併用には注意が必要です。野菜、果物、魚介類、海藻類など、カリウムを豊富に含む食材を日々の献立に取り入れ、バランスの取れた食生活を実践していきましょう。症状や健康状態に不安がある場合は、内科や腎臓内科を受診し、専門的なアドバイスを受けることが推奨されます。
参考文献
厚生労働省・日本人の食事摂取基準(2025年版)
成人 CKD 患者への栄養管理
文部科学省・日本食品標準成分表2020年版(八訂)
日本高血圧学会・高血圧治療ガイドライン2019
国立循環器病研究センター・循環器病情報サービス

