※この記事はメディカルドックにて『「膵臓がん」を発症すると「腰にどんな痛み」を感じる?痛みを感じる原因も医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
岡本 彩那(淀川キリスト教病院)
兵庫医科大学医学部医学科卒業後、沖縄県浦添総合病院にて2年間研修 / 兵庫医科大学救命センターで3年半三次救命に従事、近大病院消化器内科にて勤務 /その後、現在は淀川キリスト教病院消化器内科に勤務 / 専門は消化器内科胆膵分野
「膵臓がん」とは?
膵臓がんとはどのような病気でしょうか。
膵臓とはお腹の中、胃や十二指腸の裏にある臓器で、いろいろなホルモンと出したり、血糖を下げたり、消化液を作る働きを担います。その膵臓に発生するがんを膵臓がんと言います。膵臓がんは膵臓がある位置により早期発見しづらく、また進行が早いため見つかった時点で進行がんとなっていることも多い病気です。ここでは膵臓がんについて解説していきます。
膵臓がんの主な原因
膵臓がんは様々な要因が重なって起こります。そのため、特定の原因がある=膵臓がんになる、というわけではありません。
ここでは膵臓がんになってしまう可能性のある病気やリスクとなり得るものを解説します。
喫煙
喫煙はさまざまながんと関連があり、喫煙することでがんを発症するリスクとなります。膵臓がんの場合も喫煙との関わりが報告されており、喫煙者の膵臓がん発症リスクは喫煙していないヒトに比べて1.6〜1.8倍となる、との報告もあります。
慢性膵炎
膵臓がんのリスクとして慢性膵炎も挙げられます。慢性膵炎とは、膵臓に長期的に炎症が繰り返し起こって発症する病気です。この場合、膵臓の組織がゆっくりと壊され、膵臓に石や石灰化を認め、膵臓の機能も徐々に落ちてきます。そのため、腹痛や消化不良による下痢、血糖の上昇などさまざまな症状を引き起こす事もあります。また、慢性膵炎はそうでない人に比べて膵臓がんになりやすいといわれ、報告によっては膵臓がんの発症リスクが10倍以上ともいわれます。
原因としては自己免疫(自分の免疫が自分の臓器などを攻撃してしまう)や原因不明の特発性などもありますが、大半はお酒です。アルコールを大量に飲み続ける事で慢性膵炎になってしまう事があるのです。
慢性膵炎になった場合は元の膵臓に戻すことはできません。禁酒をしてこれ以上悪くならないようにすること、症状があれば治療を行いますが、無くとも膵臓がんができていないか定期的に検査を受ける事が重要なのです。
膵嚢胞、膵嚢胞性病変
膵臓の中に嚢胞(水溜まりの袋)がある人は通常に比べて膵臓がんになりやすいと報告されており、要注意です。ただし、その嚢胞の中には、膵臓がんになる可能性のある良性腫瘍だった、という事もあります。代表的なものは膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)と言うものです。これは粘液を中に作る良性腫瘍ですが、時間経過とともに大きくなり、中にポリープのようなものを作る事があります。これががんの卵となるのです。また、そのようなものを作っていない場合でも、腫瘍と別の場所に膵臓がんを作ってしまう可能性が高くなる、と言う報告もあります。そのため、この病気となった場合、定期的に検査を受け、がんができていないか監視する事が重要なのです。
遺伝
膵臓がんは遺伝的な要素でもなりやすい場合があると言われています。血縁の中に膵臓がんの人がいると膵臓がんになりやすい、とされます。特に親、兄弟などの近親者に二人以上の膵臓がん患者がいる場合は「家族性膵がん」と言われます。
また、膵臓がんになりやすい遺伝子(BRCAなど)も報告されています。

