●【パターン4】入社するつもりがない + 第三者に提供する目的
最初から入社する気がなく、第三者に録音データを提供するためだけの目的で面接を受けた場合、そのような目的を秘して面接を受けること自体が法的に問題となる可能性があります。
裁判例は見つからなかったため、あくまでも私見ですが、刑事上の問題として、先に述べた名誉毀損罪の問題だけでなく、偽計業務妨害罪(刑法233条、3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金)などにあたるリスクもあると考えられます。
企業にとって採用活動はかなり大きな負担となります。全く入社する気がない、しかも第三者に面接のデータを提供するためだけに応募してきた人に対し、時間と労力を使って採用活動を実施することで、会社の業務に支障が生じるおそれがありそうだからです。
民事上の問題としては、先に説明したのと同じように、不法行為としての名誉毀損、プライバシー侵害などの問題が生じる可能性があります。
●「入社したいと思っていました」という言い訳は通用しない可能性がある
録音が後で問題になった際に、本当は最初からその会社に入社するつもりがなく、第三者への提供を目的として面接を受けたのに、「入社したいと思っていました」と言い張っても、通用しない可能性があります。
実際に刑事事件になってしまえば、就職活動の状況や現在の職種など具体的に調べられる可能性があります。また、特定の会社の面接についての依頼を受けているか、なども、LINEやメールなどのログも含めて調べられるリスクがあります。
明らかになった事情次第では、いくら本人が入社するつもりだったと言っても、本当に入社するつもりはなかった、と判断されるおそれはあるでしょう。

