日本人は猫が好き?
日本人は、古くから猫と共に暮らしてきました。文献として残っている最も古い記録は平安時代で、上流階級の人々により室内で繋ぎ飼いされていました。その後猫は広く庶民と共に暮らすようになり、江戸時代には屋内や外を自由に行き来しながら暮らし、それが昭和の中期頃まで続いてきました。徐々に室内飼いが増えていき、現在では完全室内飼いが一般的になりました。
猫は、番犬のように何かの役割を担うこともなく、また広い野原を走り回るような習性もないため、狭い日本の住宅にも適した動物だと言えるかもしれません。確かに猫は、「飼いやすい」と言われることが多いです。猫の何がそう評価されているのかについて見ていきましょう。
猫が飼いやすいと言われている理由
1.散歩要らず
猫と犬は、約6,500万年〜4,800万年前に森林の木の上で生息していた、ミアキスというスリムで体長30cm程度の肉食獣を共通の祖先としています。犬は草原へと移り住み、広い野原を走り回るようになりましたが、猫はそのまま森林に残り、狭い空間を縦横無尽に活用して生きてきました。
そのため、猫にはそれほど広いスペースは必要ありません。毎日の散歩も必要なく、狭い室内でも空間を立体的に使わせることで、十分な運動量を確保できます。そのため、一人暮らしや共働き世帯、また集合住宅などの居住環境にも馴染みやすいのです。
2.留守番をさせられる
犬は群れで暮らし、お互いに協力しあって狩りをしますが、猫は単独で暮らします。狩りも単独で行います。そのため、犬と比べると猫はひとりで過ごす時間をあまり苦にしない傾向があり、留守番もさせやすいのです。
また、1日の大半をうとうとと寝ていることが多く、出されたフードを一気食いすることなく、自分で調節しながら食べられることも、腐りづらいドライフードを活用すれば長時間の留守番をさせやすい要因の一つです。
3.しつけ要らず
猫は、自分の排泄物の上に砂などをかけて隠す習性があります。その習性に合わせて作られた猫のトイレは、猫も覚えやすく、あまり教えるのに苦労はしません。
また外で散歩をさせる必要がないため、猫には「マテ」「オスワリ」「フセ」「コイ」「ハナセ」などの飼い主さんの指示に従えるようにするためのしつけも必須とは考えられておらず、それが飼いやすいという評価につながっていると考えられます。
4.世話が楽
犬よりも従順な印象が薄く、自由気ままで、飼い主さんに対しても感情表現がはっきりしている印象のある猫ですが、それでも犬よりも世話が楽だというイメージが持たれています。
その大きな理由の一つに、短毛種の猫は基本的にシャンプーをする必要がないことが挙げられます。日本で飼育されている猫のほとんどは雑種で、純血種は2割程度です。そして雑種の猫は、短毛が多いです。しかも、猫にはほとんど体臭がありません。
そのため、ブラッシングや爪切り、歯磨きなどのケアは必要ですが、シャンプーやトリートメントといった大掛かりになるケアの必要性が低く、世話が楽だというイメージが強いのでしょう。
5.診てもらえる動物病院が多い
ペットとして人と一緒に暮らしている動物は、猫や犬だけではありません。うさぎ、ハムスター、小鳥、爬虫類、両生類などさまざまです。一緒に暮らす動物の種類がなんであっても、飼い主さんにとっては大切な家族の一員です。病気やケガの予防・治療には、できる限りのことをしたいと望む方が多いです。
しかしエキゾチックアニマルと呼ばれる動物の多くは、まだあまり獣医療の対象として深く研究されておらず、診療してくれる動物病院も限られています。その点、犬と共によく研究されている猫は、一般的な動物病院でしっかりと予防や治療を受けることができ、健康管理という面でも安心して飼える動物だと言えるでしょう。

