自宅介護中の事故防止|起きやすい事故や注意したいシーンも解説します

自宅介護中の事故防止|起きやすい事故や注意したいシーンも解説します

自宅介護中の事故を防止する方法

自宅介護中の事故を防止する方法

転倒や転落事故を防止するためにどのようなことに気を付けるとよいですか?

転倒や転落を防ぐためには、環境・動作・からだの3つの視点で対策を行うことが大切です。自宅の環境では、床に物を置かないようにし、電気コードやゆるんだカーペット、段差などつまずきポイントをできるだけ減らします。

また、廊下やトイレまでの動線に手すりや足元灯・センサーライトを設置し、夜間も足元が見えるようにすると安心感が高まります。椅子やベッドの高さを調整して立ちやすい高さにしておくことも有効です。さらに、無理のない範囲で散歩や体操を取り入れ、下肢筋力とバランス感覚を保つことが、転倒予防につながります。

参照:『たった一度の転倒で寝たきりになることも。転倒事故の起こりやすい箇所は?』(政府広報オンライン)

窒息や誤嚥、誤飲事故の防止方法を教えてください

窒息や誤嚥・誤飲を防ぐために、食べ物・姿勢・環境・見守りの4点に気を付けましょう。食べ物は一口の量を少なめにし、やわらかく小さく切って提供します。餅やパン、こんにゃく、繊維の強い野菜など詰まりやすい食品は状態に合わせて工夫しましょう。食事の際は、背筋を立てて座り、顎を軽く引いた姿勢で、よく噛んでゆっくり飲み込むことを意識します。

また、食事前にお口の中をうるおし、食事の合間に少量の水分やとろみ付き飲料をはさむと、のどに残りにくいです。認知症や嚥下障害のある方は、飲み込みの様子をそばで見守り、むせ・ゴロゴロ声が続く場合は、医師や言語聴覚士に相談し、嚥下評価や食事形態の見直しを行うとよいでしょう。

参照:『高齢者の事故防止|講習の内容について』(日本赤十字社)

服薬に関する事故はどのように防げばよいですか?

薬の整理と確認の仕組みづくりがとても大切です。まず、お薬カレンダーや一包化(1回分ずつ袋にまとめる)を活用し、「いつ・どの薬を飲むか」が一目でわかるように整理します。

また、似た形や色の薬を同じ場所に置かない、処方が変わった古い薬はすぐに処分するなどの取り違えを防ぐ工夫も有効です。飲むタイミングは、服薬表やチェックリストに飲んだら印をつけるルールを決め、家族がダブルチェックをするようにしましょう。

認知症の方や自己管理が難しい方では、家族やヘルパーが声かけをして一緒に確認しながら飲みます。錠剤が飲みにくい場合は、自己判断で砕かず、医師・薬剤師に相談してゼリーや剤形変更を検討するとよいでしょう。

参照:『事故予防及び事故発生時の対応に関するガイドライン』(厚生労働省)

徘徊を防ぐためにできることを教えてください

徘徊は完全に止めることは難しいため、敷居などのちょっとした段差をなくし、転倒などの危険を減らしつつ、安心感を高めて歩ける環境を作ることが大切です。また、日中に散歩や体操、簡単な家事などの活動を取り入れ、体力や気持ちの行き場をつくることで、夜間の徘徊を減らします。

また、生活リズムを整え、起床・就寝時間や食事の時間をできるだけ一定に保つことで、夜間に目がさめて不安になり外へ出てしまう状況を減らします。玄関や勝手口にはチャイム付きのドアセンサーや補助錠を設置し、靴を見えにくい場所に置くなどの外出のきっかけを減らす工夫も有効です。さらに、GPS端末や見守りサービスを活用して、もし外出してしまっても早く見つけられる体制を整えておくと安心感が高まります。

参照:『認知症の徘徊、どう受け止める?』(日本作業療法士協会)

編集部まとめ

編集部まとめ

自宅介護では、転倒や転落、窒息・誤嚥、服薬ミス、徘徊など、日常のなかで起こりやすい事故が多く潜んでいます。その背景には、加齢による筋力やバランス、嚥下機能の低下に加え、認知症による判断力の低下や病気・内服の影響など、さまざまな要因が重なっています。事故を防ぐためには、環境を整える・動作をゆっくり慎重に行う・からだの機能を保つ・見守りと工夫を組み合わせることが重要です。段差やつまずきやすい物を減らし、食事や服薬は整理・確認の仕組みを作り、徘徊や誤飲には見守り機器やサービスも活用します。小さな対策の積み重ねが、ご本人と家族の安心感につながります。

参考文献

『たった一度の転倒で寝たきりになることも。転倒事故の起こりやすい箇所は?』(政府広報オンライン)

『認知症高齢者の家庭内での事故防止対策』(社団法人全国老人保健施設協会)

『事故予防及び事故発生時の対応に関するガイドライン』(厚生労働省)

『高齢者がものをのどに詰まらせた!誤嚥時の対処法とは』(公益社団法人神奈川県歯科医師会)

『高齢者の事故防止|講習の内容について』(日本赤十字社)

『認知症の徘徊、どう受け止める?』(日本作業療法士協会)

配信元: Medical DOC

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