健康診断前日にお酒を飲んだらどうなる?メディカルドック監修医が健康診断前日にお酒を飲んだ時の影響や対処法を解説します。

監修医師:
木村 香菜(医師)
名古屋大学医学部卒業。初期臨床研修修了後、大学病院や、がんセンターなどで放射線科一般・治療分野で勤務。その後、行政機関で、感染症対策等主査としても勤務。その際には、新型コロナウイルス感染症にも対応。現在は、主に健診クリニックで、人間ドックや健康診断の診察や説明、生活習慣指導を担当している。また放射線治療医として、がん治療にも携わっている。放射線治療専門医、日本医師会認定産業医。
健康診断前日にお酒を飲むのはなぜ注意が必要なのか?
健康診断前日の飲酒は、検査結果に影響を及ぼす可能性があるため注意が必要です。
お酒が体に与える影響とは?
アルコールは体内に入ると、主に肝臓で分解・代謝されます。この過程で肝臓には負担がかかり、血液中の酵素値や脂質代謝に変化が生じます。また、アルコールには利尿作用があり、体内の水分バランスを乱すことも知られています。
さらに、飲酒後は自律神経の働きが変化し、血圧や脈拍に影響することもあります。これらの変化は一時的なものであっても、健康診断という「体の状態を数値で評価する場面」では無視できません。
なぜ前日に飲酒すると正確な健診結果が出ないのか?
健康診断前日には、飲酒や激しい運動を避けるように指示する医療機関も多いと考えられます。ここでは、なぜ前日の飲酒が問題となるのかについて解説します。
健康診断前日の飲酒が特に影響しやすい検査項目
飲酒の影響はすべての検査に及ぶわけではありませんが、注意すべき項目があります。
健康診断前日の飲酒による血液検査(肝機能など)への影響
健康診断の前に飲酒をすると、採血結果には以下のような影響がみられるケースがあります。
項目 詳細
肝機能(特にALT) 少量でも飲酒すると、ALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ)値が上昇する可能性があります。
中性脂肪(TG) アルコール代謝過程で生じるアセトアルデヒドが脂肪の分解を抑え、合成を高めるため、数値が高くなる可能性があります。飲酒後12時間後がピークといわれています。
血糖値 アルコールの作用による脱水や代謝の変化により、検査結果の精度が低下する可能性があります。
なお、飲酒と同時に大量の食事をとると、総コレステロール(TC)やHDLコレステロール、LDLコレステロールにも影響が現れることもあります。具体的には、これらの数値は低くなり、中性脂肪(TG)は高くなるケースもあります。
健康診断前日の飲酒による尿検査への影響
アルコール摂取によって、蛋白尿が出る可能性が指摘されています。飲酒と蛋白尿の関連性やメカニズムについてはさらなる検討が望ましい状況だという点には注意が必要ですが、検査の正確性を高めるためには、前日の飲酒は控えた方がよいでしょう。
健康診断前日の飲酒による血圧測定への影響
アルコールを飲みすぎると、一時的に血圧が上昇します。そのため、健診当日に普段よりも高い血圧が測定されることもあります。

