危ない事故2:誤嚥や誤飲
誤嚥や誤飲もよくある事故です。まだ1人目の子どもが0歳のとき、お菓子のプラ袋のカケラを食べて、喉にくっついてしまって、オエオエさせてしまったことがあります……。すごく苦しそうで反省したにもかかわらず、2人目でも同じことをやってしまい、反省しました。
約4cm以下のものは誤飲の可能性がある母子健康手帳にも書いてありますが、約4cm大のものは赤ちゃんの口を通ってしまいます。これは、トイレットペーパーの芯とほぼ同じ大きさです。ペットボトルのフタで窒息してしまったという事故もよく聞きます。電池など誤飲すると危険な物を中心に対策していきましょう。
ツルッとした食べ物の誤嚥食べ物で誤嚥(ごえん:気管に入ってしまうこと)に気をつけたい物は、こんにゃくゼリーやミニトマト、ぶどうなどツルッとしたものです。ミニトマトやフルーツは薄皮を剥いて刻むなどして小さく切ってから食べさせるようにしましょう。
気をつけたいタバコの誤飲喫煙率の低下とともに事故の頻度も減ってきましたが、タバコを食べてしまったというお子さんがよく受診されます。タバコを吸ったらすぐに捨てるなどし、まだ吸っていないタバコは引き出しの中など、絶対に子どもの手が届かない場所にしまう習慣をつけましょう。
また、缶などの容器に水を入れてタバコを消火する親御さんがいますが、タバコが溶けた水を誤飲した場合、命に関わるので絶対にやめましょう。
安全対策のポイントを決めて、完璧を目指さない
1歳弱から3歳未満までの赤ちゃんは、危険意識がないわりに行動力はすごくあるので、事故を経験しない子はいないくらい安全対策は大変です。
「今はハイハイしかしていないからテーブルの上なら安全」ということはありません。ハイハイしかしていなくても何かを踏み台にして登ってしまうこともあり、昨日できなかったことが今日できるようになって事故につながる、ということもあります。
子どもの周りは危険がいっぱいですが、何でも安全にしてしまうと危機管理能力も育たないと考えています。子どもに自分で失敗しながら学んでほしいので、大ケガや危険な事故の可能性を予防しつつ、命に関わらないものは、ある程度「しょうがない」と腹をくくって子育てしています。完璧は目指しませんでした。子ども自身にさまざまな体験をさせて学んでもらいながら、親も子も成長していけるといいなと思っています。
監修者・著者:医師 高円寺こどもクリニック院長 保田典子 先生
2003年筑波大学医学部卒業、国立国際医療センター、大阪市立総合医療センター小児循環器内科勤務を経て、2014年東京女子医科大学大学院博士課程修了後現職。小児科専門医。一般診療、小児循環器診療に加えて、漢方治療や発達相談にも対応している。2021年、高円寺こどもクリニック開院。3児の母。

