●今後の手続きの流れは?
送検された2人は高校の部員であり、20歳未満の少年に該当します。なお、民法上成人年齢は18歳ですが(民法4条)、少年法上は、20歳未満の者を「少年」としており(少年法2条1項)、大人の刑事事件とは違う手続きになります。
まず、書類送検により検察官に引き継がれた事件は、その後家庭裁判所に送致されます(少年法42条)。こちらも全件送致主義といいますが、先に説明した警察官から検察官への「書類送検」の際の説明とは意味が異なります。その後は家庭裁判所が事件を扱います。
家庭裁判所では、少年の性格や育った環境、事件の背景などを調査します。今回のように身柄を拘束されていない場合、そのまま在宅で調査が行われることが多いです。
調査の結果、少年審判を開くかどうかが決まります。非行事実が認められない場合や、調査の過程で立ち直りが見込まれる場合などには、審判を開かずに「審判不開始」となり、手続きが終了することもあります。
少年審判が開かれた場合、裁判官は最終的な処分を決めます。具体的には、「不処分」(処分なしで終了)、「保護観察」(保護司の指導を受けながら生活する)、「少年院送致」(少年院で教育を受ける)、「検察官送致(逆送)」(大人と同様の刑事裁判に移す)があります。
事件の重大性などから刑事処分が相当と判断された場合には、「逆送」といって、検察官にもう一度身柄を送り、検察官の処分に委ねることになります。
最初に検察官から家庭裁判所に送致された事件が、今度は家庭裁判所から検察官に送致されるため「逆送」と呼ばれています。
検察官が起訴すれば刑事裁判が開かれ、有罪となれば刑罰が科されることもあります。一方、審判不開始や不処分となれば、保護処分は受けずに手続きが終わります。

● 実際に処分される可能性は?
裁判所の公表データ(裁判所データブック2025)では、家庭裁判所が実質的に処分の要否を判断した事件のうち、審判不開始と不処分を合わせた割合は約65%にのぼります。このデータには身柄拘束されていた場合と、されていない場合(在宅)が含まれています。在宅で調査される事件では、処分が軽くなる傾向があります。
そうすると、データの上では審判不開始や不処分になる可能性の方が高いことになりそうです。
ただ、具体的な事情によるところが大きい事には注意が必要です。たとえばどういう経緯で動画が撮影・送信されたのか、送信された動画の内容、どのように拡散したのか、その後の拡散の状況など、現時点でははっきりしない部分が非常に多いといえます。
今回の事件でどのような結論になるかは、今後の捜査や、家庭裁判所の調査と判断次第です。
監修:小倉匡洋(弁護士ドットコムニュース編集部記者・弁護士)

