【東大阪】うどんが主役で、なにが悪い。【たらいうどん】

看板の灯りと、出汁のやさしさと

近鉄・布施駅の北口。商店街の賑わいを抜けたその先、夜の空気がすっとやわらぐ。白い看板に書かれた「盥(たらい)」「うどんすき」の文字が、静かに光っている。派手さはないけれど、その控えめさが妙に落ち着く。

のれんをくぐれば、ふわりと漂う花かつおと昆布の香り。カウンター奥には、黙々とうどんを茹でる大将の姿。

2階の壁には、芸能人や力士のサインがずらり。きっとここは、誰かにとって“帰ってくる場所”なのかもしれない。

はまぐりからはじまる、うどんの物語

鍋の火にかけるのは、大きなはまぐり。殻が開いたら、すだちをひとしぼり。潮の香りがふわっと広がって、最初のひと口で身体の力がすっと抜ける。

そこに鶏もも、白菜、えのき、人参。素材が加わるたび、出汁に少しずつ深みが重なっていく。湯気、音、香り。鍋のそばにいるだけで、五感がじんわり満たされていく。

そして、満を持して登場するのが、自家製の細手うどん。水で締めた麺を、出汁にさっとくぐらせてすする。はまぐりも、鶏も、野菜も、その一杯に溶け込んでいる。

うどんが主役って、こういうことかもしれない。

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