マコから届く「卓は不倫している」という疑いをともなう連絡に、美南は次第に追い詰められていきます。目の前の卓が誠実に振る舞っていても、マコの目には自分の作り上げた「不倫常習男」にしか映らないようで…。
夫の努力は感じる
「すず、パパと公園楽しかった?」
「うん! ブランコいっぱいした!」
週末、卓とすずが帰宅しました。卓の手には、すずが欲しがっていたキャラクターの風船。その光景を見ていると、少しだけ心が解けます。
卓はあれ以来、本当に家事に協力的になり、育児にも主体的に関わるようになりました。罪滅ぼしの気持ちがあるのは分かっていますが、それでも今の彼は「良い父親」であろうと頑張っています。
友人の言葉は私を不安の渦に突き落とす
しかし翌日、マコからのLINEが、私の平穏を粉砕します。
「美南、昨日は卓さんって何してたの?」
「子どもと公園に行ってくれてたよ」
「本当?昨日、卓さんみたいな人が駅前を女性と歩いてたんだけど」
心臓がドクンと跳ねました。 慌てて昨日のGPSの履歴を確認します。……やはり、公園に数時間滞在した記録が残っています。
「マコ、それは人違いだと思う。GPSも公園だったし、すずにも風船買ってくれてたんだよ」
「ふーん。子連れで会う不倫もあるって言うから、油断しないようにね」
追い打ちをかけるようなメッセージ。 マコの言葉を否定したいのに、過去のトラウマが「もしマコの言う通りだったら?」と耳元で囁きます。 一度失った信頼を回復するのは、本当に至難の業です。
私は毎日、自分の中の「疑い」という怪物と戦っているのに、親友であるはずのマコが、その怪物にエサをやり続けている―――そんな状況に感じていました。

