三味線を弾く洋装の骸骨と踊る妖怪 河鍋暁斎 一葉 明治4~12年(1871‒79) イスラエル・ゴールドマン・コレクション 写真協力:立命館大学アート・リサーチセンター 【通期展示】
並外れた画才とユーモラスな発想で今も国内外で人気を博す暁斎。その魅力に迫る展覧会『ゴールドマン コレクション 河鍋暁斎の世界』が、サントリー美術館にて開幕します。会期は4月22日(水)~6月21日(日)です。
地獄太夫と一休 河鍋暁斎 一幅 明治4~22年(1871‒89) イスラエル・ゴールドマン・コレクション Photo: Ken Adlard 【通期展示】
イスラエル・ゴールドマン氏による「ゴールドマン・コレクション」は、暁斎コレクションとしては世界トップクラスの質と量を誇ります。本展で公開される約110件の作品うち、半数以上が日本初出品となります。
見どころ①ゴールドマン・コレクションが誇る名品
蛙の学校 河鍋暁斎 一葉 明治零年代中頃(1870年代前半) イスラエル・ゴールドマン・コレクション Photo: Ken Adlard 【通期展示】
3歳でカエルを描いたエピソードも知られる河鍋暁斎(かわなべ きょうさい、1831-1889)は、7歳で歌川国芳に入門し、10歳で駿河台狩野派に学びます。あまりの早熟っぷりに、師匠から「画鬼」と呼ばれたことも。狩野派での修行は9年にわたり、本格的な作画技術を身につけます。
百鬼夜行図屛風 河鍋暁斎 六曲一双のうち右隻 明治4~22年(1871‒89) イスラエル・ゴールドマン・コレクション 写真協力:立命館大学アート・リサーチセンター 【通期展示】
浮世絵と狩野派の両方の素地を持つ暁斎は、その後もさまざまな流派の画風を学び、独自のスタイルを確立しました。特に狂画(戯画)を得意とし、彼のアイデンティティでした。洒落の効いたユーモラスな表現は、今なお色褪せません。
そんな暁斎のコレクションで知られるのが、イスラエル・ゴールドマン氏です。浮世絵や江戸絵画の美術商である彼は1980年代前半から暁斎作品の蒐集を始め、今も精力的に蒐集を続けています。コレクションには肉筆画や版画のみならず、下絵や画稿、暁斎絵日記の優品なども含まれ、暁斎の画業を包括的に概観することができます。
百鬼夜行図屛風 河鍋暁斎 六曲一双のうち左隻 明治4~22年(1871‒89) イスラエル・ゴールドマン・コレクション 写真協力:立命館大学アート・リサーチセンター 【通期展示】
本展には、ゴールドマン・コレクションの名品が多数来日。暁斎の代表作のひとつ《百鬼夜行図屛風》をはじめ、狂気を放つ肉筆画などをいくつも観ることができます。
見どころ②多様なジャンルで活躍した暁斎の画業
閻魔大王浄玻璃鏡図 河鍋暁斎 一幅 明治4~22年(1871‒89) イスラエル・ゴールドマン・コレクション Photo: Ken Adlard 【通期展示】
暁斎が生きた幕末・明治初期は、狩野派最大のパトロンである江戸幕府が倒れた混乱の時代。しかし彼はその画才を武器に、逆境に負けることなく力強く立ち回ります。
彼は神仏画から妖怪画、動物画、世相を反映した風俗画や戯画など多岐にわたる作品を手がけ、肉筆画のみならず浮世絵版画も出版。さらに、即興で絵を描く書画会では、客の求めに応じてどんな画題でも描いてみせました。
猫又図 河鍋暁斎 一幅 明治4~22年(1871‒89) イスラエル・ゴールドマン・コレクション Photo: Ken Adlard 【通期展示】
本展では「けもの」「ひと」「おに」「かみ、ほとけ」といった画題別の切り口で、暁斎の世界に足を踏み入れることができます。どの画題にも織り込まれる暁斎らしいユニークな視点を、楽しく鑑賞してみてはいかがでしょうか。
