いよいよ直接対決のとき
日曜日の午前中。家族3人で車で出かけようとした時のことです。
いつものように、エンジンをかけて冷房を効かせていると……ガラガラと音を立て、お向かいの玄関が開きました。
「あらあ、信也さんも一緒?これからお出かけ?」
美代子さんがうれしそうに小走りでやってきます。
「今日は日差しが強いから、りんちゃんはうちに置いていきなさいな。2人でゆっくりデートでもしてきたら?」
いつもの調子です。 ですが、私のトナリにいる信也の空気は、いつもとちがっていました。
信也はりんをチャイルドシートに乗せ終えると、ゆっくりと立ち上がり、美代子さんの目を見て、しずかに口を開きました。
「美代子さん。いつも娘を気にかけてくださって、本当にありがとうございます。でも、一つお伝えしておかなければならないことがあります」
信也の低い、落ち着いたトーンの声…。美代子さんの笑顔が、少しだけこわばりました。
「ええ…?何かしらあ、改まって」
いよいよ、反撃の火ぶたが切って落とされました。
あとがき:ゆるがない家族の絆
「悪気はない」とにごさず、妻の苦しみを「ハラスメント」と、明確に定義してくれた、信也。信也のたのもしさが光りますね。
感情的にどなるのではなく、冷静に「境界線」を引こうとする姿は、読者にとっても、非常に心強い展開です。美代子にとっては、今まで「言いなり」だった聡子の横に、強固な壁(夫)が現れた瞬間ですね。ついに迎えた対峙の時。静かなトーンで語られる信也の言葉が、物語のテンションを一気に高めます。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
記事作成: ゆずプー
(配信元: ママリ)

