阪神淡路大震災から31年を機にチェック 災害時の高齢者の避難誘導のポイント

阪神淡路大震災から31年を機にチェック 災害時の高齢者の避難誘導のポイント

2026年1月17日は阪神淡路大震災から31年でした。

特に関西の介護事業所では、この日を災害に対する意識を高める日にしているところも多いのではないでしょうか。

高齢者の中でも有料老人ホームなどに住む人は、普段からスタッフの目が行き届いていますから、災害発生時でも安心・安全は比較的保たれています(それでも夜間などスタッフ数が少ない時間帯に大規模災害が発生したら、十分とは言えません)。

それに対して在宅の高齢者、特に独居や高齢者だけの世帯は、「自力での避難が困難」などの問題を抱えています。

そこで、今回は「在宅高齢者やそれを支える人たちが災害発生時に注意すべき点」を改めて整理します。

▶介護施設が備えるべきBCP(事業継続計画)とは

災害の中には、地震のように何の前触れもなく発生するものもありますが、多くは前兆があります。

例えば土砂崩れや地滑りなどは、発生する前にザワザワと音がしたり、異臭がしたりすることがあります。また、火災は、煙や熱などから近隣での発生を簡単に知ることができます。

しかし、一般的に高齢者は聴覚や嗅覚などの「センサー」に衰えが見られます。
そのため災害がすぐ近くまで迫っているのに気がつかず、手遅れになってしまうことも考えられます。

また、体力や身体機能の点で、迅速な行動をとることは難しいですから、仮に災害の発生に早めに気がついても、安全確保や避難が間に合わないということも考えられます。

このため近所の人たちなどは、災害発生が予想されるときは「まず高齢者に先に知らせる」ということを心がける必要があります。

次に、高齢者の中には「避難を拒む」という人が一定の割合で存在します。

理由としては
①今の家や土地から離れたくない
②避難生活に耐えられるかどうか不安
③避難先で周囲の人に迷惑をかけるのではないかという懸念
④どうせ自分の人生は残り少ないのだから逃げる必要はない、などがあります。

特に、①に関して言えば、家の中に仏壇や位牌などがある場合は「これをおいて逃げられない」という意識がはたらき避難行動を妨げる原因になります。

地域性もあるのでしょうが、東日本大震災のときには、せっかく一度は高台に避難したのに「位牌を家に置いてきてしまった」と自宅に取りに戻って津波の犠牲となってしまった高齢者も少なからずいたそうです。

津波や火災、水害など一刻を争う状況では「早く避難しましょう」「私は行きたくない」などと押し問答をしている間に犠牲者が増える可能性もあります。

高齢者自身の気持ちは大事にしなくてはいけませんが、高齢者の避難誘導を行う立場の人が、日頃から「位牌は原則として持ち出し困難」などということをしっかり説明し、スムーズな避難行動につなげることが重要です。

また、これは高齢者施設でも言えることですが、災害発生時や避難誘導時などは「指示が多くの人に的確に伝わる」ことが大事です。

災害発生時には全員の気が動転していますし、周囲では様々な音が発生していることもあります。
また、一刻を争う状況のこともありますから「なるべく簡潔に、短い言葉で指示を出す」ことが原則です。

例えば「津波が来るかもしれませんから、皆さん早く避難して下さい」よりも「津波、逃げて」の方が発する時間が短くて済みますし、誤って伝わる可能性も少なくなります。

特に利用者が相手だと「丁寧な言葉を使わなくては」と意識しがちですが、時と場合に応じて使い分けましょう。
基本は「3~4歳児でも理解できる言葉で指示を出す」です。

最近では、災害が発生すると、テレビ画面で外国人でも理解しやすいように、わかりやすい日本語で避難を呼びかけるテロップを出します。こうした言葉遣いを参考にすると良いでしょう。


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