綾に対し、思いの丈をぶちまけた、るい。緊張が走る中、るいのスマホには、綾から意外な返事が届き…。
ママ友からの意外な返信
送信ボタンを押した後、私の心臓は早鐘を打っていました。数十分後、スマホが短くふるえました。
「ごめんなさい。本当に、その通りです」
綾さんからのメッセージでした。
「るいさんに言われるまで、自分がどれだけ甘えていたか…。どれだけ失礼なことをしていたか、気づいていませんでした」
「息子が同じことをしていたら…そう思ったら、私もきっと、るいさんと同じことを息子に言うと思います。今まで、立て替えてもらったお金…時間はかかるかもしれないけど、絶対に全額返します」
届いた返信は、言い訳のない、心からの謝罪に見えました。
私は冷静になり、これまでの記憶と家計簿を照らし合わせ、立て替えていた金額を詳細に計算しました。
カレー代、タクシー代、他にもこまかい買い物など……。積み重なった金額は12,000円ほどでした。
「12,000円」という数字を突きつけると、彼女は「わかりました」と短く答えました。
それから、綾さんは、毎週月曜日の朝、お迎えの際に私の元へやってきました。
「今週分の1000円。遅くなって本当にごめんね」
ママ友の経済事情を知って
彼女は毎週、千円札を丁寧に折って封筒に入れ、私に手わたしました。
その姿を見て、彼女が言っていた「お金がない」という言葉が真実だったのだと理解しました。
彼女は彼女なりに、不器用な家計管理の中で、必死に捻出しているようでした。
そして、この時、彼女がさまざまな内職等を掛け持ちして、給料日もばらついている……つまり、すぐに「大金を用意できない」ということも知ったのです。
なんでも、夫が最近、転職活動中で、今現在、貯金を切り崩しているのだとか…。
綾さんもお金がない中、「子どもの交友関係を維持したい」という気持ちがあったこと。今まで普通にランチをしていた感覚で、ついカフェなどに寄ってしまって、お金がないことに後から気づいただけだったと言うこと…。
「たのしい話」だけじゃなく、そういったところも事前に聞けていたら…私も、お金のかからない遊び方を提案するとか、もっと協力できたのではないかと思っています。
数週間後、子どもたちを公園で遊ばせるついでに、最後の支払いをしてもらいました。1000円が私の手にわたった時、私たちは自然とベンチに座っていました。

