総ビリルビンの基準値はどれくらい?メディカルドック監修医が総ビリルビンの年齢別の基準値などを解説します。
※この記事はメディカルドックにて『血液検査「総ビリルビン」が基準値より高いとどうなる?原因や発見できる病気も解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
岡本 彩那(淀川キリスト教病院)
兵庫医科大学医学部医学科卒業後、沖縄県浦添総合病院にて2年間研修 / 兵庫医科大学救命センターで3年半三次救命に従事、近大病院消化器内科にて勤務 /その後、現在は淀川キリスト教病院消化器内科に勤務 / 専門は消化器内科胆膵分野
ビリルビンとは?
健康診断などを受けた時、「ビリルビン」というものを見たことはないでしょうか。ビリルビンとは、もとは赤血球の中にある物質であり、肝臓から作られる胆汁という消化液の中に含まれる成分です。
ここではビリルビンがどのようなものか、ビリルビンが高いとどんな病気を疑うのかなどを解説していきます。
血液検査の総ビリルビンの基準値
実際に血液検査を行った時、ビリルビンの値はどの程度になるのでしょうか。
一般的には血液検査でビリルビンを測定するときは総ビリルビン(T-Bil)を測定します。総ビリルビンの値は一般的に0.2-1.2mg/dLを基準値としているところが多く、総ビリルビンの値が2.0mg/dLをこえてくると徐々に白眼の部分が黄色くなってきます(眼球黄染)。また、総ビリルビンの値が3.0~3.5mg/dLをこえてくると、皮膚が徐々に黄色くなってきます(黄疸)。黄疸が出てくると身体のあちこちに痒みが出現することもあります。ビリルビンが高くなる場合、消化管にビリルビンがうまく排泄できなくなるためビリルビンが尿に出てくる(ビリルビン尿)ため、尿が黄色くなる、濃くなると感じることもあります。
ビリルビンは年齢により基準値が異なることもあります。ここでは年齢別の総ビリルビンの値について解説します。
ビリルビン基準値一覧(成人)
下限 上限 単位
総ビリルビン 0.2 1.2 mg/dL
直接ビリルビン 0 0.4以下 mg/dL
新生児の総ビリルビンの基準値
新生児の時期、総ビリルビンは高めで推移します。胎児では出生後と異なるタイプの赤血球を使っているため、新生児は出生後に赤血球を入れ替えます。それにより、一時的にビリルビンが増加してしまいます。また、新生児の赤血球は寿命が短く、成人に比べて壊れやすいこと、代謝も十分でないことなども理由の一つです。新生児のビリルビンの数値については何週で出生したか、何グラムで出生したかなどにより基準も異なります。一般的には出生後徐々にビリルビンが増加し、生後2、3日で黄疸が出現、生後4、5日ごろにピークを迎え、その後は徐々に低下してきます。ビリルビンが高すぎると脳に影響を与える(核黄疸)ことがあるため、治療(光光線療法、交換輸血など)が必要となることもあります。一般的に正期産児の場合、生後4、5日目のピーク時に18mg/dL以上であれば注意が必要と言われています。
乳児の総ビリルビンの基準値
総ビリルビンの値は新生児期にビリルビンが上昇し、その後減少、数か月~1年程度で成人と同じ値まで落ち着いてきます。母乳での育児を行っている場合、母乳性黄疸が数か月にわたり続くこともあります。この場合は母乳育児を中止する必要はないのですが、黄疸が長引く場合は他の病気が原因であることもあります。一度病院で検査を受けましょう。
高齢者の総ビリルビンの基準値
総ビリルビンの基準値は、高齢になったからと言って変わるわけではありません。成人の基準値である0.2~1.2mg/dLです。これよりビリルビンの数値が高くなるようであれば、何らかの異常が起こっている可能性が高いと判断されます。

