
■第21回「ゴミ出し」
第21回の更新です。
さすがにここまで更新したら、『檜原の21本』というエッセイ史に残るノンフィクション作品が制作されることは確定やろう。
日本シリーズ7戦目。9回裏から檜原が21本のエッセイを更新して近鉄を抑え、広島を日本一に導いたことは何十年経っても語り継がれるやろう。
そんな21回目の更新では、最近興奮したトピックスを紹介させていただきます。
半年前から僕の自転車のスタンドは壊れているのか何度蹴ってもなかなかスタンドが後ろにいかず、10回チャレンジしてようやく出発できるかという状態でした。運が悪いと2分くらいスタンドが後ろにいかず、そんなときはONE PIECEのサンジの“羊肉(ムートン)ショット”のように思い切りスタンドを蹴飛ばしたくなったものです。
もちろんそのときはしっかり、いきなり“羊肉(ムートン)ショット”からではなく、「首肉(コリエ)!」「肩肉(エポール)!」「背肉(コートレット)!」「鞍下肉(セル)!」「胸肉(ポワトリーヌ)!」「もも肉(ジゴー)!」とハッキリ言いながら、自転車のハンドルやサドルやカゴもペシペシ蹴ってから最後にスタンドを蹴飛ばすと決めていました。
子どものとき、そんなテストはないのに“羊肉(ムートン)ショット”と“仔牛肉(ヴォー)ショット”だけはいつでも言えるように本気で暗記した努力が今になって生きてくるとは、人生はわからないものです。
スタンドを買い替えるため幡ヶ谷の自転車屋さんに行き、「スタンドを交換したいんですが」と言うと、「これ交換しなくていいですよ」と無料でスタンドに油を差してくれました。
すると不思議、スタンドがスルン!と後ろに下がるようになったのです。新しいスタンドを買うつもりで家を出たのに。あの日は感動しました。
生きているうちに何度、こんな素晴らしいことに出会えるやろう。
今回のお楽しみはゴミ出し。
みんなはゴミ出ししているかな?
僕は「ゴミ屋敷専門パートナーズ」というゴミ屋敷清掃のYouTubeチャンネルが大好きで、一時期は毎日2時間見ていました。業者の皆さんがすごく思いやりがあって、心が温まる素晴らしいチャンネルです。
最初に心をつかまれた瞬間は1本目の動画を見たときで、依頼者さんのお部屋の玄関を開けたらいきなり腰元までゴミが溜まっていました。
清掃業者さんが「ゴミの上で生活されていたのか踏み固められて下のほうはカチカチになっています。生ゴミを何年も放置されているのか、においもかなりあります。壁にあるこの黒い点々、ゴキブリのうんちです。ここ天井です。ゴミが高く積み上がりましてですね、かがまないと頭が天井に当たる状態です」と実況してくれました。
僕はそのゴミ屋敷ぶりにいきなり圧倒されました。そのあとYouTubeから聞こえてきたコメントにひっくり返ることになります。
「このお部屋ですね、10段階でいいますと、3です」
3!!!!!!!?
バトル漫画みたいで興奮しました。それからはゴミ屋敷清掃動画を見まくる毎日でした。10段階中の10も見ることができ、そのインフレっぷりはトリコの終盤を読んでいるようでした。
僕はそのゴミ屋敷清掃動画を見るようになってから、水曜と土曜のゴミ出しが楽しみで仕方なくなりました。
時間のあるときは「明日ゴミ出せるでぃ!」と、クローゼットにある一年以上触ってないものを「これは思い出とかではないし最悪また買えるでぃ」「これ多分もう着ることないでぃ」とどんどん断捨離しています。
捨てるかどうか悩むときはYouTubeでミニマリストの動画を見て、「ミニマリストなら1秒で捨ててるでぃ」と断捨離します。ですがミニマリストのYouTubeにハマりすぎるのも危険で、見まくっているとベッドもソファも捨てたくなるので加減が必要です。
この生活のいいところは、食品の賞味期限も頻繁にチェックしているので、賞味期限を切らすことがほとんどないです。だいたいひと月前になったら無理やり食べるようにしています。
みんなもゴミを出してみるのはどうだろう!

