●離婚後の生活のために家具や家電を購入できる?
──相談者のように、離婚後の生活再建のため、家具や家電を事前に購入することは認められますか。
別居のために、共有財産である現預金を使って家財を購入すること自体は認められます。実際は、そうせざるを得ないケースが大半でしょう。
そのうえで、財産分与を計算する際に、その購入分をどのように考慮すれば「公平」になるかを検討します。同居中の家財道具(共有財産)をどちらが引き継ぐのか、別居後の養育状況、双方の資力、新たに購入する家財の必要性や金額の妥当性などが考慮されることになります。
ただし、ここまで厳密に検討すると、同居中の家財の評価なども必要となり、財産分与がなかなかまとまりません。そのため、必要最低限の家財購入は容認し、別居時(購入後)の預金残高を基準に計算をするという実務が多くみられます。
●もしも「財産隠し」をされたら?
──配偶者の財産隠しが疑われる場合、法的手段を取ることは可能でしょうか。
財産が隠される、あるいは処分されるおそれがある場合には、保全処分という裁判手続きがあります。ただし、担保金が求められる場合があるなど、一定のハードルがあります。
すでに隠された疑いがある場合には、相手名義の預貯金の履歴などを確認し、不当な資金移動がないかを調査することになります。相手が任意に資料を開示しない場合には、調停や訴訟の中で裁判所を通じて調査することになります。
いずれにしても、相手がどのような財産を持っているのかを具体的に把握しておく必要があります。「◯◯銀行△△支店の普通預金」など、できるだけ特定しておく必要があります。
別居や離婚を見据えてというわけではありませんが、日ごろから互いの財産状況をきちんと把握しておくことが大切ですね。
【取材協力弁護士】
小田 紗織(おだ・さおり)弁護士
法科大学院1期生。「こんな弁護士がいてもいい」というスローガンのもと、気さくで身近な弁護士を目指し活躍中。
事務所名:神戸マリン綜合法律事務所
事務所URL:https://kobemarin.com/

