身近にPTSDの患者さんがいる方のなかには、どのように声かけをしたらよいのか悩んでいる方もいるのではないでしょうか。たしかにどのような声かけが正解なのか、迷うのも無理はありません。
本記事では、PTSDの方に安心感を与える接し方を紹介します。
※この記事はメディカルドックにて『「PTSDの方に言ってはいけない言葉」はご存知ですか?安心感を与える接し方も解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
伊藤 有毅(柏メンタルクリニック)
精神科(心療内科),精神神経科,心療内科。
保有免許・資格
医師免許、日本医師会認定産業医、日本医師会認定健康スポーツ医
PTSDの方に安心感を与える接し方

PTSDの方に安心感を与える接し方はありますか?
PTSDの方に安心感を与えるためには、本人の気持ちに共感し支えることが重要です。しかし、どのように接すればよいのかわからない方もいることでしょう。もし接し方で困った際は、ピアカウンセリングのスキルを身につけるのがおすすめです。一般の方でも取り組めるカウンセリング手法で、8つの約束事があります。決めつけや批判をしない
本人の気持ちに共感する
個人的なアドバイスは与えない
詰問調にならない
相談者が抱える問題の責任は取らない
解釈をしない
過去ではなく今の状況に焦点を当てる
感情と向き合い感情について話し合う
ピアカウンセリングは、精神科や大学付属の心理臨床相談センターなどの機関でプログラムを受けることが可能です。PTSDの方に少しでも安心感を与えたい場合は、普段どおりに接するのがおすすめです。普段と変わらない接し方をするだけでも、PTSDの方は気が休まりやすくなります。
PTSDは誰でもかかりやすい症状ですか?
PTSDは、生死に関わる体験をした人すべてが発症するとは限りません。戦争や災害などで同じ体験をした方であっても、発症せずに日常生活を過ごしている方もいます。また被害後から期間が空いてから発症することもあり、人によっては半年後にPTSDに至ることも珍しくありません。PTSDの発症リスクは研究で明らかになっているため、傾向を知ることが重要です。死に直面する恐怖体験をした方
アドレナリンの分泌量が多い方
被害の後の社会的サポートが十分に受けられなかった方
被害後の生活ストレスが大きい方
災害や事故などの危険と隣り合わせた仕事をしている方カフェインを多めに摂取している方
以前にトラウマ体験をしている方
上記はあくまでもPTSDになりやすい方であり、実際に発症するとは限りません。恐怖体験で心に傷を負ってしまった場合は、十分なソーシャルサポートを受けることが必要です。
PTSDは寛解までにどのくらいかかりますか?
PTSDは、症状が寛解するまでに数ヶ月から数年かかるといわれています。少しでもPTSDの症状を緩和させるためには、早い段階でメンタルクリニックや精神科・心療内科などで治療を受けることが必要です。人によってサポート内容は異なりますが、薬物療法やEMDR・認知行動療法などでアプローチしていきます。PTSDは強いショックによって自力での回復が難しいため、継続的な治療が重要です。しかし治療が順調に進めば徐々に症状が落ち着き、通常どおりの日常生活を過ごせるようになるでしょう。
編集部まとめ

本記事では、PTSDの方に言ってはいけない言葉を紹介しました。PTSDの方に安心感を与えるためには、本人の気持ちに寄り添った声がけが重要です。
その他にも、生活や健康などさまざまな側面でサポートすることで、日常生活への復帰がスムーズになりやすくなります。
PTSDの方への接し方で困った点があれば、精神科やメンタルクリニックなどに相談しましょう。
参考文献
PTSDとは|行動医学研究部 国立精神・神経医療研究センター
家族や友達がPTSDになったとき|厚生労働省

