
所ジョージがMCを務める「所さんの世田谷ベース」(毎週土曜夜10:00-10:55、BSフジ/FOD・TVerでも配信中)の第456回「充実なんて簡単さ。」が2月14日(土)に放送された。所ジョージ的モノの考え方や閃いた遊び、世の中の楽しみ方を発信する同番組。今回は「パスカルの原理」を使った手製の道具や、壊してしまった湯飲みを修復した際の“不完全”だからこそ生まれる味わいを楽しむ。
■「パスカルの原理」のために奔走したスタッフたち
冒頭、番組スタッフの服装に文句を言う所。外で撮影するアイデアも考えていたのだが、当日やってきたスタッフの服装があまりにもモコモコしていたため「そんな格好で来られたらさあ、『ああこりゃ室内でやるしかないな』ってなるじゃん」と室内での撮影を決めたという。「あれだよね、ハラスメントだよね」と冗談めかして言う所に、スタッフは思わずといった笑いをこぼしていた。
さまざまな物が置いてある所の机だが、収録日にはなぞのペットボトルが2本。これは飲むためのものではないという。ペットボトルは水で満たされているのだが、なかには小さな重りをつけられた魚型の醤油差しが浮いている。醤油差しのなかは空になっているため、何もしなければ水面近くに浮かぶ。
しかしこのペットボトルを所がわずかに握ると、醤油差しは一気に下降。すぐに底まで沈んでしまうのだが、圧力を弱めるとまた浮上して水面まで浮き上がる。この現象について、所は「『パスカルの原理』なんだよね」と説明。密閉された容器内の液体や気体に圧力を加えると、その圧力がすべての方向へ伝わるという法則だ。
醤油差しには小さな穴が開けられており、ペットボトルを握ると圧力で穴から水が浸入して醤油差し内部の空気が圧縮される。結果として浮力が減少して「ペットボトルを握ると醤油差しが沈む」ことになる。
このアイテムが作りたくなった所だったが、いまは“魚型の醤油差し”がなかなか見つからない。そこで他局の番組でロケに出た際、なんと50人も帯同することになったので「とにかくコレ(醤油差し)を探したやつが今日のチャンピオンだ!」と言ってスタッフに魚型の醤油差しを探してもらったという。
すると見事、スタッフが魚型の醤油差しをゲット。「やっぱね、人海戦術だね」と満足げな表情を見せるのだった。
■「長生き」は「充実した時間」の総量
ある日、妻が湯飲みを落として割ってしまったという話を始める所。「気に入ってたのに~」と残念がる妻に、所は「ああいいよ、俺直してやるよ」と請け負ったという。ちなみに割れたのは所の湯飲みで、“気に入ってたのに”の主体が所だったというのもちょっと面白い。
さっそく所が修復した品を机の上に置くと、割れてバラバラになった破片を金色の線が繋いでいる。いわゆる金継ぎの技法で、白地に青の模様が走る湯飲みによく似合う。
湯飲みを改めて見直しながら、「このくらい“直しました”感のある継ぎは面白いよね」と語る所。ものの10分で修復したという湯飲みだが、やろうと思えばもっと綺麗に仕上げることだってできる。継いだ箇所から金色がはみ出さないようにしたり、盛った継ぎ材を湯飲みの表面と段差なく平滑にすることもやろうと思えばできる…のだが、所は「“やった”感を出したいわけ俺は!」というのだ。
「『下手くそだなこんなに出っ張ってて』とかっていう方のが、なんか“イイ感じ”なんだよ!」とこだわりを熱く語る。綺麗に割れたのを“なかったこと”にするのではなく、“割れて修繕した”という事実を大きく主張したいらしい。
ともかくも所が主張したいのは“動きがあるかどうか”。ゲン担ぎで新しいなにかを身の回りに置くのも、湯飲みが割れて直すのも、お茶を淹れるためにあれこれと動くのも同じだ。ペットボトルで水を飲んだら捨てるだけで、「割れたら修復」なんてことをする人はいない。“動きを生む”生活を続けていく方が、「長生きだよ」と所は言う。
さらに続けて「長生きってのは、時間じゃないよ。つまり、充実する時間。充実する時間が薄っぺらかったらどんなに…100年生きたって、充実した時間が1日1分くらいしかなかったら大したことないんだよ」と持論を語る所。自身を活性化させるための“充実”に重きを置くという言葉は、楽しそうに生きる所が発するからこそ大きな説得力を持っていた。
■楽しく生きるための本質
随所で「めんどくさいことが幸せなんだよ!」という持論を展開する所だが、今回のエピソードでは「長生き」に関する人生観を披露。もちろん所も、万事すべてにおいて手ずから直したり作ったりするわけではない。人に頼ったり、簡単に済ませることだってある。
だが面倒を楽しみ、生活を簡単にし過ぎず、それでいてなるべく“動き”が出るように挑戦していく。「長生き」を「充実した時間の総量」とする所の考え方は、現代人の多くが納得と共感を示すはず。ただ“動く”ことに固執してしまえば、どこかで無理が出てしまうというもの。“楽しく生きる”という目的のために、どこかで「充実した時間を増やす」という本質に立ち返るタイミングも必要だろう。
所流の人生がちょっと楽しくなる考え方を聞ける「所さんの世田谷ベース」。今回紹介した第456回「充実なんて簡単さ。」はTVerおよびFODで視聴可能だ。

