友人の突然の告白に驚きを隠せない
「それでね、私、もう限界だったの」
香苗はそう言って、冷めたコーヒーを一気に飲み干した。 その時の彼女の瞳に宿っていたのは、悲しみではなく、どこか開き直ったような、危うい光だった。
「……朱莉に聞いてほしいんだけど、私、好きな人ができたんだ」
窓の外では、幸せそうな家族連れが通り過ぎていく。 その明るい景色と、香苗が放った不穏な言葉のコントラストに、私は心臓が跳ねるのを感じた―――。
あとがき:「愛の形」に潜む落とし穴
「優しくていいパパだけど、女性としては見られていない」。そんな贅沢な悩みと一蹴されそうな孤独は、実は多くの女性の心を蝕んでいます。朱莉と香苗、同じ32歳の二人が直面する「親になりすぎてしまった」という寂しさの正体は何なのか。
第1話では、平穏な日常のすぐ隣に空いた、深い穴の存在を描きました。触れ合うことはできても心が満たされない。その微かな違和感が、物語の大きな火種となっていきます。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
記事作成: ゆずプー
(配信元: ママリ)

