関西の人気バラエティテレビ番組「探偵!ナイトスクープ」の2026年1月23日放送分が、ヤングケアラー問題に関わる内容であったことから、放送直後からネットなどでさまざまな意見が飛び交うちょっとした「炎上状態」となりました。
あまりの騒動の大きさに、1月25日には見逃し配信サービスでの今回の放送分の配信が停止されたとされています。
また、放映したテレビ局が公式サイトで声明を発表する事態になっています。
なぜ、この回がここまでの騒動となったのか、経緯を振り返ってみます。

番組に依頼をしてきたのは小学校6年生の男児です。
彼は6人兄弟の長男ですが「その立場を探偵(番組出演者)に替わってもらいたい」というものでした。
この男児は0~10歳までの弟・妹5人の世話を含む家事全般を日常的にこなしていました。
「同級生はみんな楽しく遊んでいるのに…疲れた。1日だけでいいから替わって欲しい」と語り、探偵が1日男児の仕事を体験するという内容でした。
関西を中心に絶大な人気を誇る番組だけあってその反響は大きく、放送直後からネットなどでは「これは児童虐待に該当するのではないか」「バラエティ番組で笑いの対象にしていい話ではない」などという批判の声が多数あがりました。
真偽のほどはわかりませんが、ネットの中には「実際に児童相談所に通報した」と言った書き込みもありました。
この件は、なぜここまで炎上してしまったのでしょうか。
番組への依頼者は子どもですから、実際に番組で採り上げるに当たっては、当然ですが保護者に取材・撮影の意図を説明し、許可をもらわなくてはなりません。
その際に、依頼者の実際の生活(弟・妹の世話の状況)などもヒアリングするでしょうし、実際の撮影の場ではもっとリアルな様子を目にします。
その段階で、スタッフが「彼はヤングケアラーではないか」と判断したならば、児童相談所や教育委員会などの公的機関に連絡・相談することもできたはずです。
また、仮にテレビ番組として放映するにしても、ヤングケアラーの実態を伝えるドキュメンタリー番組とすることも可能だったはずです。

ある程度、この少年と家族の実態を把握しておきながら、高い視聴率が取れる人気バラエティ番組としたことに「果たしてメディアとしての判断が正しかったのか」という声があがっています
ヤングケアラー問題は、ビジネスケアラーやダブルケアラー同様に、近年急速にクローズアップされています。
しかし、それでもケアラー自身が「自分がヤングケアラーだと認識できていない」「認識していたとしても声を上げる術を知らない」などの理由から、なかなかその実態が把握できません。
最近では自治体・学校単位で児童・生徒にアンケート調査を行うところも増えていますが、その設問内容もバラバラであり「何をもってヤングケアラーとするか」という定義すら明確でない状態です。
例えば、ある自治体が行った調査では「日頃、弟や妹と一緒に遊んでいる」という兄弟がいれば当たり前と思える行為も「ヤングケアラーに該当する」としました。
そのため「回答者の○%がヤングケアラー」という基本的な部分ですら、調査結果には大きなばらつきがあります。
こうした状況の中で、今回の放送に対して、ネット上では「ヤングケアラーという表には出にくい話題を、バラエティとはいえ人気番組で取り上げたことに意義がある」と擁護・評価する意見も見られました。
さて、私の個人的な意見としては、この番組はヤングケアラー問題の特徴の1つをクローズアップしたのではないかと判断をしています。
具体的にそれが何だったのか、という点については次のコラムで詳しく解説をしたいと思います。
介護の三ツ星コンシェルジュ


