
監修歯科医師:
遠藤 眞次(歯科医師)
長崎大学歯学部を卒業後、東京と群馬の歯科医院で分院長を歴任。臨床のかたわら、歯周治療やインプラント治療についての臨床教育を行う。「Dentcation」の代表を務める。他にも、歯科治療のデジタル化に力を入れており、デジタルデンチャーを中心に、歯科審美学会やデジタル歯科学会等で精力的に発表を行っている。
ニコチン性口内炎の概要
ニコチン性口内炎は、長期間の喫煙習慣によって引き起こされる口腔内の炎症です。
硬口蓋(こうこうがい:上あごの固い部分)の粘膜に赤い発疹が出現し、次第に白っぽく厚みを増していく特徴があります。
ニコチン性口内炎は一般的に強い痛みをともなわないため、歯科検診や他の理由で口腔内を観察するまで自覚しにくいことがあります。人によっては食べ物や飲み物がしみる程度の症状が出ることもあります。
注意点として、ニコチン性口内炎は口腔がんへ進行するリスクがあることが挙げられます。
ニコチン性口内炎における最も重要な治療法は禁煙です。できるだけ早期に発見し、禁煙を中心に適切な治療をおこなうことで重症化の予防につながります。
気づいたときには進行していることもあるため、喫煙習慣のある人は日頃から口腔内の観察を心がけましょう。

ニコチン性口内炎の原因
ニコチン性口内炎の主な原因は、長期間にわたる喫煙です。たばこの煙に含まれる成分が複合的に作用して発症すると考えられています。
とくにニコチンには血管を収縮させる性質があり、口腔内の粘膜への血液供給を減少させます。このため、通常なら問題ないような刺激でも粘膜が傷つきやすくなり炎症が起こります。
また、たばこの熱い煙もニコチン性口内炎の一因です。喫煙時に口腔内が繰り返し高温にさらされることで、やけどの状態が続き粘膜が刺激されます。
ほかにも、たばこの煙は口腔内の乾燥につながり、唾液の分泌量が減少することで、口内炎の発症リスクが高まります。
飲酒と喫煙を同時におこなうと、たばこの発がん性物質がアルコールに溶け出し、口腔粘膜への悪影響がさらに強まるとされています。

