「決める力」を支える環境整備-ディシジョンエイドの活用
中山和弘さんは、患者の意思決定を支援するツールとして「ディシジョンエイド」の重要性を説きました。これは選択肢が記載されており、それぞれの長所と短所が示され、自分の価値観を確認して最も良い選択へのサポートをするツールです。世界中では約780件が無料で利用可能な一方、日本では20件程度しか作成されていないという現状があります。
ディシジョンエイドが電子化されれば、自分がどのような理由でその選択をしたのかという記録を残すことができます。匿名化して共有すれば、同じ病気の患者同士で「決め方を学び合う」ことも可能になります。イギリスでは実際に電子カルテの中にシェアード・ディシジョンメイキング(患者さんと医療者が協力して治療法を決定するプロセス)の記録が残る仕組みが導入されているそうです。
池崎悠さんは、患者会でのコミュニティの重要性を語りました。テキストだけでは「生きた情報」にはなりにくいけれども、すでに就労支援を利用している人や治験に参加している人の話を直接聞くと、情報が「活用できるもの」へと変わるといいます。「人間がメディアとして関わるコミュニティ」の存在が、ヘルスリテラシー向上の鍵となっていることを示しました。
「全員参加」でひらく医療の未来——登壇者からの宣言
フォーラムの締めくくりとして、各登壇者から「アクション宣言」が発表されました。進行を務めた眞島喜幸さんは「Make PPI Standard-患者・市民参画の常設化」を掲げ、厚生労働省や経済産業省、各種協議会や委員会に必ず患者の声が反映される仕組みの実現を訴えました。
大黒宏司さんは「知って、伝えて、浸透させる」というプロセスの重要性を強調。池崎さんは「PPIの裾野を広げる」として、患者・市民参画という言葉すら知らない当事者や、自分には難しいと感じている人にも参加の道を開くことを提唱しました。中山さんは「腑に落ちた(納得して決められた)」を普及させることで、自分らしく生きる幸せを取り戻すことを目標に掲げています。
桜井さんはシンプルに「医療の民主化」を宣言。医療の主役は自分であり、その環境を取り戻していきたいと述べました。岩屋孝彦さんは「All at the Table-みんなでテーブルについて議論を」と呼びかけ、昨年掲げた「All In(全員参加)」の精神を継続する決意を示しました。

