原発避難者の退去確定、最高裁判決をどう見る? 井戸謙一弁護士「影響は極めて大きい」「司法の役割問われる」

原発避難者の退去確定、最高裁判決をどう見る? 井戸謙一弁護士「影響は極めて大きい」「司法の役割問われる」

●三浦裁判長の「反対意見」の主な内容

三浦裁判長は反対意見で、次のような指摘をしている。

・福島県には「原告適格」を有さないため、一審判決を取り消し、県の請求を棄却すべき

・「内堀決定」は社会通念上著しく妥当性を欠き、裁量権を逸脱している

・原審は「災害救助法」の法解釈を誤った状態で審理がなされた。住居明け渡しの部分を棄却し、高裁に差し戻すべきである

・原発事故被災者の保護に関する法令解釈は、国際人権規約などを踏まえておこなう必要がある

・避難指示区域の「内外」によって住宅供与を区別する理由は認められない

●「結論としての影響は極めて大きい」

──今回の判決内容をどのように受け止めていますか。

井戸:反対意見がついたとはいえ、最高裁が住居明け渡しを是認したという結論自体は、今後の下級審に与える影響が大きいと見ています。私は現在、東京地裁で係争中の「原発事故避難者住まいの権利裁判」の代理人も務めていて、そちらへの影響も心配しています。

今回の判決は、「内堀決定」が違法かどうかにかかわらず、女性には占有権限がないとした原審の判断を「正当」と評価しました。避難者側は、災害救助法の上位規範として国際人権規約や憲法に基づく居住権を主張していましたが、判決はこれを事実上否定した形です。

しかし、「避難者は国内避難民にあたるのか否か」「国際人権法上の権利がなぜ避難者に認められないのか」について、具体的な理由を示していません。この点は重要なポイントだと思います。

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