●「内堀決定」へ厳しい評価
──反対意見では「内堀決定」についても、「裁量権の濫用」「社会通念上著しく妥当性を欠く」と厳しく批判しています。
反対意見は、住宅支援の打ち切りを一律に判断すべきではなく、個々の事情を見るべきだとも述べています。原発事故による避難の特質を踏まえ、避難者に寄り添った指摘だと言えるでしょう。
今後、「内堀決定」の違法性を争ううえで、大きな追い風になる可能性があります。多数意見は「内堀決定」の違法性については判断していません。内堀決定の違法性についての最高裁の判断は、これを違法だとした三浦裁判官の少数意見があるだけなのです。
●多数決では救えない権利を守る最後の砦
──最後に司法の役割に期待することを教えてください。
裁判官が、被災者や避難者の視点に立って判断しているのか。それとも国や自治体といった為政者の視点に引き寄せられているのか。三浦裁判官の反対意見と多数意見には、そうした視点の差が色濃く表れているように見えます。
少数者の権利侵害を救済することこそ司法の役割であり、多数者の意向を追認したり、尻拭いすることではないはずです。多数決では救えない権利を守る最後の砦としての司法のあり方が改めて問われているといえるでしょう。

