「浜田雅功を名乗ったアカウントが存在していますが、本人はSNSをやっておりません」
ダウンタウン浜田雅功さんの初個展の公式アカウントが2月15日、「なりすましアカウント」が出現しているとして注意を呼びかける投稿をおこなった。
これを受け、X上では「やっぱりね」「騙されました」「言葉使いが、丁寧過ぎて怪しかった」といったコメントが相次いでいる。
問題となったとみられるアカウントは、浜田さんの公式を名乗ったうえで「今日からXというものを始めてみたいと思います」と投稿していたが、その後、謝罪して投稿を削除した。
浜田さんの名前を騙ったアカウントは、実はこのほかにも多数存在する。なりすましアカウントは法的にどのような問題があるのだろうか。ネット問題にくわしい清水陽平弁護士に聞いた。
●氏名権やパブリシティ権を侵害している可能性
──なりすましは罪に問われるのでしょうか。
なりすましは、それ自体が直ちに罪になるわけではありません。刑法上、「なりすまし罪」のような罪が存在しないためです。
ただし、だからといって許されるかどうかは別問題で、内容次第では、さまざまな法的問題が生じ得ます。
まず、他人の氏名を無断で使用することになるため、氏名権侵害の問題が生じます。
次に、他人の肖像(写真)を勝手に使用していれば、肖像権侵害や、芸能人などであればパブリシティ権侵害の問題も生じます。同時に、撮影者の著作権を侵害する可能性もあります。
また、本人になりすまして発信することで投稿内容によってはプライバシー侵害が生じたり、本人の社会的評価を低下させるような内容であれば名誉権侵害の問題も生じます。
これらは民事上の問題として扱われ、なりすましをした人は損害賠償責任を負うことになります。
なお、名誉を害する発信をしている場合には、別途、名誉毀損罪が成立する可能性もあります。
●パロディアカウントの作成は認められているが・・・
──なりすましアカウントが「なりすまし」を認めていたとしても問題はあるのでしょうか。
なりすましをしていた人が事後にそれを認めたとしても、前述のような法的問題は解消されるわけではなく、基本的には同じ責任を負うことになります。
なお、Xではパロディアカウントの作成自体は禁止されているわけではありません。
しかし、パロディアカウントであると明示していたとしても、それはあくまでXの利用規約に違反していないというだけで、法律上の責任を免れることを意味するわけではありません。その点には注意が必要でしょう。
【取材協力弁護士】
清水 陽平(しみず・ようへい)弁護士
インターネット上で行われる誹謗中傷の削除、投稿者の特定について注力しており、総務省の「発信者情報開示の在り方に関する研究会」(2020年)、「誹謗中傷等の違法・有害情報への対策に関するワーキンググループ」(2022~2023年) の構成員となった。主要著書として、「サイト別ネット中傷・炎上対応マニュアル第5版(弘文堂)」などがあり、マンガ・ドラマ「しょせん他人事ですから~とある弁護士の本音の仕事~」の法律監修を行っている。
事務所名:法律事務所アルシエン
事務所URL:https://www.alcien.jp

