「白内障の症状」が進むと日常生活にどんな影響を与えるのか?【医師監修】

「白内障の症状」が進むと日常生活にどんな影響を与えるのか?【医師監修】

白内障の進行は、読書や細かい作業から移動や交通まで、日常生活のあらゆる場面で支障をきたします。これらの変化を理解し、症状の程度を正しく把握することで、治療のタイミングを適切に判断できます。具体的にどのような影響が現れるのかを詳しく見ていきましょう。

花房 彩

監修医師:
花房 彩(医師)

【経歴】
2013年埼玉医科大学卒業。卒後、埼玉医科大学病院にて初期研修を行い、同院眼科に入局。
2019年より行定病院、2022年より小江戸眼科内科、2025年よりくらかず眼科に就職。
【資格】
日本眼科学会 眼科専門医

白内障の症状が日常生活に与える具体的な影響

白内障の進行は、日常生活のさまざまな場面で支障をきたします。これらの症状を理解し、早期に適切な対策を講じることが重要です。

読書や細かい作業への影響

白内障が進行すると、読書や手芸、料理などの細かい作業に大きな支障をきたします。文字がかすんで見えるため、新聞や本を読む際に文字が重なって見えたり、行を飛ばして読んでしまったりすることがあります。特に、小さな文字や薄い印刷の文書は判別が困難になります。
手芸や裁縫においては、針に糸を通すことや細かな模様を識別することが難しくなります。料理では、食材の新鮮さを色で判断することが困難になったり、包丁で食材を切る際に正確な厚さに切れなくなったりする可能性があります。
また、デジタル機器の使用にも影響が現れます。スマートフォンやタブレットの画面が見にくくなり、文字入力でのミスが増加することがあります。画面の明度を上げても、かえってまぶしく感じて長時間の使用が困難になる場合があります。

移動と交通に対する深刻な影響

白内障は移動時の安全性に重大な影響を与えます。歩行時には、段差や障害物の認識が困難になり、転倒のリスクが高まります。特に、薄暗い場所や影のある場所では、地面の起伏や障害物の判別が極めて困難になります。
自動車運転においては、より深刻な問題となります。信号機の色の識別が困難になったり、道路標識の文字が読めなくなったりすることがあります。夜間運転では、対向車のライトがまぶしく感じられ、一時的に視界を失う「グレア現象」が発生する可能性があります。
公共交通機関の利用時にも支障をきたします。電車やバスの時刻表が読めない、乗り場の表示が見えない、階段の昇降時に足元が見えにくいといった問題が生じます。これらの症状により、外出への不安が増大し、社会活動への参加意欲が低下する恐れもあります。

まとめ

白内障は読書や手芸などの細かい作業から、歩行や自動車運転まで幅広い日常活動に影響を与えます。文字の判別困難、段差の認識不良、信号機の色識別困難など、安全性に関わる重要な問題が生じます。これらの症状により外出への不安が増大し、社会活動への参加意欲が低下する可能性もあるため、早期の対応が重要です。

参考文献

「白内障手術の費用目安」— 単焦点レンズ/超音波手術の保険適用時の費用目安
(Hakunaisho Lab)

多施設での白内障手術の諸問題に関する資料「白内障手術の今を考える」

多焦点眼内レンズとの付き合い方

配信元: Medical DOC

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