自分の不倫を肯定する香苗は、夫の無関心に傷つき「自分を取り戻すため」だと主張。拒絶されることのつらさを説く香苗だが「レスだから不倫していいのか」と朱莉は違和感を抱いて―――。
セックスレスを理由に不倫している友人
「えっ……好きな人って……香苗、それって」
「まあ、いわゆる不倫になっちゃうよね。もう半年になるかな」
香苗は悪びれる様子もなく、むしろスッキリとした表情で言った。 心臓がバクバクと音を立てる。私の中の「普通」が、ガラガラと音を立てて崩れていくような感覚。
「ちょっと待って、香苗。子どもだっているんだよ? ご主人にバレたらどうするの」
「バレないよ。あの人私に興味なんてないから、夜に子どもを実家に預けてデートしに行ってても、何も聞いてこないんだよ」
香苗は自嘲気味に笑う。
孤独を不倫で解消するのは、正解…?
彼女の言い分はこう。
夫には何度も「寂しい」「女性として見てほしい」「このままだと壊れてしまいそう」と訴えたのだという。 でも、そのたびに夫は「疲れてるから」「考えすぎだ」と取り合ってくれなかった…ということ。
「朱莉もさ、同じ状況になれば魔がさす気持ちがわかると思うよ…お願いだから否定しないでほしい」
香苗の瞳に涙が溜まる。
「私だって最初は罪悪感があったよ。でも、彼に女として扱ってもらえると、自分を取り戻せたような気がするの。乾ききってた部分が潤ってさ、家でも夫や子どもに優しくなれてるんだよ」
私は言葉を失った。 香苗の抱える孤独は、想像を絶するものだったのかもしれない。 でも、だからといって他の男性に逃げるのが正解なのだろうか…?

