●原告「共同にも確認取材がない記事がある」と指摘
こうした共同通信の対応について、石川さんは「表現の自由を行使する機会を奪われた」などとして提訴した。
裁判では、石川さんが著書の中で長崎新聞を批判する際に同社へ「確認取材(反論取材)」をおこなわなかったことの是非や、共同通信が石川さんを記者職から外したことの正当性などが争点となっている。
石川さんは、「黙殺」などと表現したことは「正当な論評の範囲内」と主張。共同通信が配信する論評記事の多くでも、政治家や企業を批判する際に、すべての対象者へ確認取材をおこなっているわけではないと指摘した。
また、長崎新聞は共同通信の運営費を負担する加盟社であり、取材をすれば出版そのものを妨害される可能性が高かったとも主張している。
記者職を解かれた点については、著書がノンフィクション賞の候補になった実績などを示し、共同通信側の評価は不当だとうったえている。

●共同通信「加盟社との信頼関係を毀損した」と主張
一方、共同通信側は「他者を批判する記事を書く際に対象者に確認取材をおこなうことは、より客観的に公平かつ正確な報道を追及する点で記者としての基本動作とされている」などと反論。
石川さんが長崎新聞に真意を確認しないまま「黙殺」と断じたことは、加盟社との信頼関係を大きく毀損するものだったと主張している。
また、配置転換については、取材が不足した状況での出版や、過去の業務に取り組む姿勢などを総合的に判断した結果で、「当面の間は記者として報道現場に配置することはできないという人事判断」だったとした。


