皇太子の娘から復讐者へ…衝撃の運命を辿るディリラバ“長歌”の物語の始まり<長歌行>

皇太子の娘から復讐者へ…衝撃の運命を辿るディリラバ“長歌”の物語の始まり<長歌行>

「長歌行」
「長歌行」 / (C)2021 China Huace Film & Tv Co.,Ltd.

雑誌「ウルトラジャンプ」などに掲載されていた中国人漫画家の作品を原作にした中国のドラマ「長歌行」。中国を代表する女優の1人・ディリラバがヒロインを演じるこの物語は、唐の時代の史実をベースにフィクション要素も加えられており、アクションやロマンスなどのエンタメが豊富に盛り込まれている。全49話という大構想で制作された名作ドラマの見どころを、今回は1話から4話までのストーリーを追いながら深掘りしていく。

■「長歌行」とは

「長歌行」は唐代初期を舞台にした中国ドラマだ。本作品の魅力は、その壮大なスケールと奥深いキャラクター描写にあるといえるだろう。戦乱の中で成長する登場人物たちの心の葛藤や信念が丁寧に描かれている。

ヒロインの李長歌役は中国を代表する女優・ディリラバが務めた。長歌は家族を殺され復讐に燃える強い女性であると同時に、ストーリーが進むにつれてさまざまな悩みや葛藤も抱えるようになる。彼女が時折見せる人間らしさと成長過程は本作品の最大の見どころであり、視聴者に深い共感を与えた。

一方、カリスマ将軍・阿詩勒隼(アシラ・シュン)役はウー・レイが熱演。異民族の将軍としての冷徹さと、長歌への深い愛情との間で揺れ動くという微妙な立ち位置を見事に演じている。2人の間には単なる恋愛ではなく、異なる目的や文化を前に価値観をぶつけ合い、揺らぐ信頼と愛情が絡み合う。また随所に展開される戦闘シーンも迫力満点で、戦術やアクションの緻密な演出も大きな見どころだ。

本作はシンプルな復讐劇やラブストーリーではなく、「正義とは何か」「国や民族を守るとはどういうことか」といった普遍的なテーマも内包している。単純な善悪ではない“それぞれの立場での正義”が描かれる点も興味深く、歴史や戦乱の中で人々がどのように生き抜いてきたのかを考えさせられる作品となっている。

■序盤から続くピンチの連続…それでも諦めない長歌の強い信念

第1話は唐代初期、都の長安に北西の草原の阿詩勒(アシラ)部から特勤の阿詩勒隼(アシラ・シュン)が配下を連れて偵察に潜入していたところから物語は動き出す。阿詩勒隼は長安の街中で仮面をかぶった1人の郎君と遭遇。その正体は皇太子の娘・李長歌だった。李長歌は皇子たちもしのぐ聡明さと武術の腕を備えており、頻繁に男装して出歩いていた。母親の瑾夫人から数日は外出しないよう命じられた長歌だったが、阿詩勒部の使者との蹴鞠試合があると聞き、従妹で李世民の娘の李楽嫣と共に会場へと向かう。

第2話では蹴鞠試合で活躍した李長歌が東宮を抜け出したことで母の瑾夫人に激怒され、しばらく辟雍堂に行き反省するように告げられる。母の様子がおかしいと感じた長歌は馬車を抜け出して東宮へ引き返すと、そこには血の海が。玄武門の変が起き、皇太子・李建成と斉王・元吉たちは殺され、瑾夫人も死んでしまう。東宮を逃げ出して何とか追っ手をまいた長歌は、出会った少年の阿竇(あとう)から東宮の妃の亡骸が栄恩寺に安置されていると聞く。栄恩寺へやってきた長歌は亡き母の前で李世民への復讐を誓う。

第3話。杜如晦(とじょかい)は李長歌を追って品香斎を見張るが、房玄齢が手を回して火の手が上がり、その隙に長歌は脱出する。長歌は魏家を密かに訪れるが、魏叔玉が杜如晦から魚符を受け取っているところを目撃、魏叔玉を裏切り者と罵り魚符を奪う。その魚符で長歌は弘義宮へ潜入するが、李世民を襲おうとしたところを杜如晦らに捕らえられてしまう。長歌の身を案じた李楽嫣は、房玄齢から策を授かり監禁された長歌の元を訪れるが、長歌は李楽嫣を冷たく突き放す。

第4話では皇太子璽を盗み弘義宮を脱出した李長歌が、長安脱出の方法を探る。しかし兵に見つかってまたも追われる身になった長歌は、再び阿詩勒隼と遭遇。隼から馬を奪い、追っ手をかわす。その頃、魏叔玉は長歌の捕縛に協力するよう皓都(こうと)に脅されていた。一方、長歌は阿竇と商隊に紛れて長安を脱出することに決め、またも偶然出くわした阿詩勒隼ら一行に取引を持ち掛ける。検問を逃れ長安を脱出できた長歌だったが、阿詩勒隼らと別れたのち皓都率いる兵に追撃される。その一行には魏叔玉もいた。

■悲劇へと転じる長歌の人生の転換点を描いた第2話の見どころ

第2話は物語の大きな転換点となる「玄武門の変」が発生し、長歌の運命が一変する衝撃的なエピソードが描かれた。前半では蹴鞠試合で活躍する長歌の聡明さと武芸の才能が際立つが、その後一気に壮絶な悲劇へと転じる。

同話でやはり胸を打つのは、長歌が東宮へ戻った際の惨状だ。宮廷内は血の海と化し、父・李建成と家族が無残にも殺され、最愛の母・瑾夫人も命を落とす。このシーンの演出は圧巻で、長歌が感じたであろう恐怖と絶望がリアルに伝わってくる。復讐の物語として、最悪にして最高のスタートと言えるだろう。

さらに、長歌の心情の変化も重要なポイント。彼女は父を亡くしたことに悲しむと同時に、それまで信じていた叔父・李世民の裏切りを知って復讐を決意することになる。感情を押し殺しながらも涙を流し、自分を守るために辟雍堂での”反省”を命じた母の亡骸のもとで、復讐を誓うシーンは胸が詰まる思いがした。

まさに長歌の成長の起点となる回であり、緊張感と感情の揺さぶりが詰まった重要なエピソードだ。導入から圧倒的なドラマ性を見せた「長歌行」は、動画配信サービス・Huluにて全49話を見放題配信中。


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