朱莉に不倫を咎められて怒りをあらわにした香苗。一方、朱莉は意を決して夫にレスの不安を打ち明けるも、レスが解消しそうな状況には至らず―――。
爆発した友人の感情
「話し合いって簡単に言うけどさ、そりゃ何度もしたに決まってるじゃん!」
香苗が声を荒らげ、周囲の客がこちらを振り返る。 彼女の顔は怒りで真っ赤に染まっていた。
「『もう不倫しちゃいそうだよ』『寂しすぎるから助けてほしい』って、プライドも何も捨てて言ったんだよ。でも夫は『いい年しておかしい』とか『欲求不満すぎる』とか、バカにするようなことばっかり言って逃げるの。こんなの我慢できるわけないよね?」
「でも、だからって……」
「ごめん、クソ真面目な朱莉に言った私がバカだった。朱莉にはわからないと思う」
香苗はバッグをひったくるように持つと、立ち上がった。
「朱莉は正しいよ。間違った側の気持ちなんてわからないよね?じゃあね」
吐き捨てるようにそう言うと、彼女は店を飛び出していった。 一人残された私は、冷え切ったパスタを見つめることしかできなかった。
優しい夫に、セックスレスについて切り出した
家に帰ると、夫・一成がかえでと遊んでいた。
「おかえり、朱莉。楽しかった?」
「……うん。まあね」
夜、かえでを寝かしつけた後、私は、一成とレスについて正直に話してみることにした。
「ねえ、一成。私たち、かえでが生まれてから……その、ご無沙汰だよね」
一成はスマホを置いて、こちらを向いた。
「……ああ。そうだね。ごめん。疲れてて…。」
その言葉に、心臓がドクンとなったのが分かった。
「そ、そうだよね…。でもさ、こういうのってセックスレスっていうじゃない?その……一成はどう思ってる?」
「正直、年だしあんまり性欲がなくなってきたんだよ。別に朱莉がどうとかじゃなくてさ」

