がん性リンパ管症の前兆や初期症状について
がん性リンパ管症では、肺のリンパの流れが徐々に妨げられていくにつれて、動いたときの息苦しさが現れ始めます。初めは階段を上ると息が切れる程度でも、病状が進行すると安静にしていても息苦しくなります。進行が早い場合は、数週間から数か月という短期間で急激に呼吸困難が悪化します。また、痰の絡まない乾いた咳が長く続くほか、片側の胸に痛みを感じる患者さんもいます。
全身の倦怠感(だるさ)や食欲不振、発熱などの症状が現れることがあり、病状の進行とともに体重の減少も見られます。
呼吸が苦しい状態は横になって休んでも改善せず、着替えや歩行といった日常生活の基本的な動作にも支障をきたすようになります。
がん性リンパ管症の検査・診断
がん性リンパ管症の診断では、画像検査や気管支鏡検査、血液検査が行われます。すでにがんと診断されている患者さんの場合は、これまでの症状の変化、がんの種類や進行の状況など、複数の検査と臨床経過を踏まえて診断されます。
画像検査
胸部レントゲン検査では、肺全体にかすんだような影が広がって見えることがあります。線のような影や粒が集まったような影が写る場合もありますが、初期の段階ではほとんど目立たず、肺炎など他の病気と区別がつきにくい特徴があります。
胸部CT検査では肺の内部構造を細かく見ることができ、がん性リンパ管症の特徴的な「網目状の陰影」などが映し出されることがあります。これは、がん細胞が肺のリンパ管に広がっているサインですが、間質性肺炎など似た症状の病気でも同じような所見が出るため、CTだけで診断を確定するのは困難なケースも多いとされます。
気管支鏡検査
正確な診断を行うために、肺の細胞を直接調べる「気管支鏡検査」が行われます。細くて柔らかいカメラ付きのチューブを鼻や口から気管支に挿入し、肺の奥の方まで届かせて組織の一部を採取します。採取した細胞を顕微鏡で調べることで、がん細胞が肺のリンパ管内に入り込んでいるかどうかが確認できます。
血液検査
血液検査では、感染症や心不全など呼吸困難の原因となる他の病気がないかを調べます。がん性リンパ管症には特有の血液の異常があるわけではありませんが、他の病気を除外することで診断に近づく手がかりになります。

