本人は真剣、周囲はフリーズ
Aくんは大まじめだったと思います。
きっと自己分析の結果を、飾らずに共有しただけなのでしょう。
ただ、その瞬間、私は言葉を失い、ため息を飲み込みました。
「価値観の違いをどう埋めればいいのだろう」
これ以上何か言えば、パワハラになりかねない。
そんな考えが、一瞬で頭をよぎったのです。
適切な指導と、相手の受け取り方のバランスに、私は激しく葛藤しました。
褒められて伸びる
その後、注意されるたびに元気を失っていったAくんは、ついに3か月の研修期間終了を待たずして退職してしまいました。
もっと彼が受け入れやすい伝え方があったのではないか。今でも当時のことを振り返ります。
「褒められて伸びる」という言葉の裏には、認められたいという純粋な意欲が隠れています。それはAくんに限ったことではないはずです。
Aくんは「自分を知る力」「主張する力」は持っていたけれど、「相手や場に合わせる力」がまだ育っていなかったのかもしれません。
同時に、私自身も「彼の個性に合わせた伝え方」をもっと模索すべきだったと感じています。この経験を糧に、これからのマネジメントでは、一人ひとりの声に耳を傾けながら、共に成長できる関係性を築いていきたいと思っています。
【体験者:50代・女性会社員 回答時期:2026年1月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒヤリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:大下ユウ
歯科衛生士として長年活躍後、一般事務、そして子育てを経て再び歯科衛生士に復帰。その後、自身の経験を活かし、対人関係の仕事とは真逆の在宅ワークであるWebライターに挑戦。現在は、歯科・医療関係、占い、子育て、料理といった幅広いジャンルで、自身の経験や家族・友人へのヒアリングを通して、読者の心に響く記事を執筆中。

