デザート時、春香が用意した「特別仕様」のケーキと共に、ついに、妻と2人の母が姿を現す。こおりつく智也と女。春香は逃げ場のない2人に、合計90万円の違約金と、慰謝料の請求書を笑顔で叩きつけた。
何も知らない夫がやってきた
19時過ぎ。智也と、あの女が現れました。
智也はいつになくおしゃれをして、女のためにイスを引いています。
女は、自分が「勝った」とでも言いたげな、しあわせいっぱいの笑顔。
「智也くん、ありがとう。こんなステキなお店、はじめて!」
「君の誕生日だからね。これからはずっと、僕が君を守るよ」
(ヘドが出る…その食事代も、その笑顔も、すべて私の犠牲の上に成り立っているものだというのに…)
私たちは、彼らが最高級のコース料理を堪能するのを、はなれた席で静かに見守りました。
もちろん、私たちの食事代も、後でまとめて智也に請求するつもりです。
サプライズケーキと一緒に登場
デザートが運ばれるタイミング。
私はあらかじめお店にお願いしておいた、「特別仕様」のケーキを出すよう合図しました。
陽気なバースデーソングとともに、店員さんが2人のテーブルへ、大きなホールケーキを運びます。
「えっ!えっ? サプライズ? 智也くん、用意してくれたの?」
「あ、ああ……(俺、たのんだっけな?)」
とまどいつつも、鼻高々な智也…。
その瞬間、
「お誕生日おめでとう……地獄の入り口にようこそ!」
私と義母が、彼らのテーブルを囲むように立ちました。

