「脅威」を「機会」に変えられるか
この状況をどう捉えるべきでしょうか。
エルリヒ会長は、MFN政策を単なる外圧と捉えるのではなく、イノベーションの価値を見直す契機にすべきだと提言します。欧州や日本が魅力的な市場環境を整えれば、米国と同様に投資を呼び込めるはずだと語りました。日本や欧州の学術研究の質は今も高く、その強みを産業競争力に転換する余地は十分にあるとの見方を示しています。
一方、岩屋会長は「チャンスだとするにはあまりに突きつけられた課題が重い」としつつも、「イノベーションを国として、国民として、どう評価するのかという議論をする機会ではある」と述べました。
「3つのA」が示す処方箋
エルリヒ会長は、イノベーション推進と社会保障の持続可能なバランスを実現するビジョンとして「3つのA」を提唱しました。
第1は「Attract(惹きつける)」
資金だけでなく、人材や研究開発・製造拠点を呼び込む環境づくりが必要です。
第2は「Accelerate(加速する)」
優れた研究成果を迅速に医療へ届ける仕組みが求められます。
第3は「Access(アクセス)」
患者が遅延や格差なく新しい治療を受けられる体制の構築です。
これら3つのAが、EU・日本共通の課題を解決する指針になりうるとエルリヒ会長は述べました。

