「悪性神経膠腫の余命」はグレードでどのくらい変わる?治療法と副作用も医師が解説!

「悪性神経膠腫の余命」はグレードでどのくらい変わる?治療法と副作用も医師が解説!

悪性神経膠腫の5年生存率

悪性神経膠腫の5年生存率は、4つのグレードごとに異なります。グレードIは良性、グレードII〜IVは悪性とされており、5年生存率は10%未満のものから70%以上までさまざまです。
ここからは、グレードごとの悪性神経膠腫の生存率を説明します。

グレード2の乏突起膠腫

グレードIIの乏突起膠腫の5年生存率は約90%です。腫瘍は大脳や脳幹部など発生場所は個人差があるため、治療成績は腫瘍の場所や患者さんの年齢などによって異なります。手術療法と放射線療法、化学療法を組み合わせた治療が基本です。
また、稀に小児で発症するケースがあり、いずれの場合でも手術の治療成績によって予後が大きく変動します。

グレード2の星細胞腫

グレードIIの星細胞腫の5年生存率は約75%です。治療は手術療法と放射線療法、化学療法を組み合わせた治療が基本となります。腫瘍の発生部位によっては手術だけで腫瘍を切除できない症例もあります。
手術で腫瘍を取りきれない場合は術後に放射線療法を行いますが、放射線療法で腫瘍の縮小が期待できる症例も少なくありません。再発が多く、悪性度が高くなって再発することもあります。

グレード3の乏突起膠腫

グレードIIIの乏突起膠腫の5年生存率は約30%です。腫瘍の遺伝子解析の結果によって、生存率や治療成績が異なります。治療には悪性神経膠腫の標準治療が適応されますが、あくまでも手術が第一選択です。
手術で腫瘍を完全に切除できなければ、術後に放射線療法や化学療法で腫瘍の縮小化を図ります。再発した場合も、化学療法を主とした治療が検討されます。

グレード3の星細胞腫

グレードIIIの星細胞腫の5年生存率は、約20〜40%です。発症しやすい年齢は40〜50代で手術や化学療法、放射線治療が基本的な治療となります。手術では可能な限り腫瘍の摘出が必要で、症例によっては術後に化学療法や放射線療法を行います。

グレード4の膠芽腫

グレードIVの膠芽腫の5年生存率は約10%〜15%です。膠芽腫の治療は、基本的に手術および術後の放射線療法や化学療法が選択されます。
放射線治療の終了後に化学療法を行う場合もありますが、患者さんの全身状態や腫瘍の進行具合によって実施されない場合もあります。

悪性神経膠腫の治療方法

治療を行っていくうえで、理解しておきたいのが治療方法です。脳腫瘍の治療法には、標準治療として手術療法や放射線療法、化学療法があります。
化学療法や放射線療法は、腫瘍の遺伝子型や発症部位などによって治療の詳細が異なります。

手術

手術では脳の機能の温存や可能な限りの腫瘍切除が重要です。悪性神経膠腫は腫瘍自体が出血しやすく、脳の組織に浸食するように発生します。
複雑な場所に腫瘍が発生すると、手術ですべての腫瘍が摘出できない場合もあります。腫瘍が大きい場合、脳が圧迫されて頭痛や嘔吐などの症状が出現するため、症状の改善や進行を抑えるために腫瘍の切除が必要です。
手術では脳の機能を温存するため、必要に応じて一時的に患者さんを麻酔から覚醒させ、神経機能を評価したり術中にMRI撮影をしたりする方法を活用します。詳細な手術の方法は、患者さんの状態や手術を担当する医師によって異なります。

放射線治療

放射線治療は、腫瘍に高エネルギーの放射線を照射して腫瘍の縮小化を図る治療法です。治療には主に、ガンマナイフやサイバーナイフが選択されます。
放射線治療は正常な細胞へのダメージが少ないものもあるため、高齢でも治療をする方もいます。化学療法と併用する場合が多く、基本的には1クール60Gy(グレイ)となるよう1日2Gyずつ約30回かけて照射します。
放射線治療で自覚しやすい副作用は照射部位の皮膚炎や吐き気、脱毛や倦怠感などです。

薬物治療

悪性神経膠腫の薬物療法はテモゾロミド(テモダール)を使用した化学療法です。放射線治療との併用や、放射線治療終了後の維持療法として行います。テモゾロミドの副作用には、以下のものがあります。

悪心

嘔吐

便秘

骨髄抑制

テモゾロミドを使用する化学療法では、グラニセトロンという制吐剤が点滴または内服で投与されます。便秘や骨髄抑制に対しては必要に応じて下剤や輸血、白血球を増やすG-CFS製剤などを使用した対症療法が可能です。

交流電場療法

交流電場療法は患者さんの頭に特殊な電極を貼り付け電磁場を流し、細胞分裂する際の腫瘍を壊す治療法です。電磁場は正常な脳細胞には特に影響しないため、腫瘍だけを破壊できるメリットがあります。
しかし治療をするには髪の毛を剃る必要があるため、女性は抵抗感を感じる人もいるでしょう。交流電場療法は、1日あたり18時間程行うとよいとされています。

支持療法・緩和ケア

支持療法や緩和ケアは、診断された段階から開始することが推奨されており、治療と同時に開始されることもあります。
治療の副作用だけでなく心のケア、社会復帰に関する支援などもケアの対象です。痛みだけでなく悩みや不安の解決に向けて支援するケアでもあるため、治療の早期からでも悩みや不安は主治医や看護師に相談するとよいでしょう。

配信元: Medical DOC

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