ある日、朱莉のもとに香苗の不倫が夫にバレて離婚したという情報が知らされる。夫に証拠を握られて親権も失うという悲惨な末路を知った朱莉は、自身の夫婦関係を見つめ直すことに―――。
不倫した友人の末路
季節が変わり、冬が近づいたころ。 私と香苗の共通の友人である美智子から、衝撃的な電話がかかってきた。
「朱莉、聞いた? 香苗のこと」
「え……? 何かあったの?」
「離婚したって。しかも、香苗が不倫してたらしくて、バレてかなり泥沼だったみたい」
手が震えた。 美智子の話によると、香苗の不倫は何か月も前からご主人に把握されていたらしい。 ご主人は泳がせていたのだ。探偵を使い、不倫相手との接触現場、ホテルへの出入り、証拠を完璧にそろえてから、一気に突きつけたという。
「寂しい」という感情に支配されてしまった友人
「香苗は『寂しい思いをさせられたから』って自分を正当化したみたいなんだけど、ご主人は『それが不倫していい理由になるわけない』って一蹴したんだって。実家にも子ども預けて不倫してたってバレて、四面楚歌らしいよ…」
香苗は慰謝料として300万円を請求され、子どもの親権も夫側に渡ったという。「寂しいから婚外恋愛で満たされてる」と自分を正当化していた香苗は、子どもを含む家族も、実家からの信頼も失ってしまった。
電話を切った私は、あのランチの時、私がもっと彼女の孤独に寄り添っていたら、否定せずに話を聞いていたら、香苗は目を覚ましたのだろうかと、自分の行動を振り返っていた。でも、答えはすぐに出た。 「……いや、違う」―――。
香苗は寂しさを「免罪符」にしていた。 夫が悪い、環境が悪い、だから私は不倫をしてもいい、そう都合よく解釈した結果、何もかも失ったのだ。

