
黒谷和紙作家・ハタノワタルさんの個展「ひかり」が代官山ヒルサイドテラス・ヒルサイドフォーラム内「gallery ON THE HILL」にて2月20日(金)~3月1日(月)まで開催。
ハタノさんが運営する和紙工房「紙漉キハタノ」の展示も同時開催される。
京都を拠点に活動する黒谷和紙作家ハタノワタルさん

ハタノワタルさんは、京都府綾部市を拠点に活動する黒谷和紙(くろたにわし)作家である。兵庫県淡路島で生まれ育ち、多摩美術大学で油絵を学んだ。在学中、絵画の支持体として和紙に出会い、丈夫で美しい和紙の素材感に魅了され25歳で黒谷和紙職人になる道を歩み出した。

伝統工芸である紙漉きと古くから続く日本の暮らしを活動の根幹とし、伝統を守るだけでなく和紙を素材としたアート制作や内装施工などを通して、多様な和紙の可能性を体現している。

800年という歴史の上に成り立つ黒谷和紙の紙漉きは、ハタノさんの制作のインスピレーションへと昇華。すごくシンプルだけど、歳月や職人たちの想いが重なることで美しく輝くもの。ハタノさんの美意識は、和紙の歴史と対峙することで育まれたものであり、古と今とを繋いでいくことへの憧れでもある。
闇と光のあいだに立ち上がる「ひかり」がテーマ

平面作品「ひかり」
gallery ON THE HILLでの個展は今回で3回目となり、ハタノさんの新作を中心に「ひかり」をテーマにした作品群が発表される。ハタノさんにとって光とは、単に明るさや美しさを象徴するものではなく、雲の動きによって変わる室内の色、季節によって移ろう草木のトーン、夕暮れの空気のにじみ、そうした自然光の微細な変化に自身の感情を重ねてきた。
ハタノさんが過去に見た風景を思い出すとき、そこには必ず光の記憶があるという。平面作品「ひかり」は、明るい色を用いていても全体のトーンはどこか沈んでいる。それは光を単純な明度としてではなく、闇から光へと移ろう時間そのものとして捉えようとする、ハタノさんの感性の現れである。
