
2024年5月に逝去した劇作家・唐十郎さんが創設した劇団唐組の現在を、7か月間にわたって追ったドキュメンタリー「カリスマ亡きあとの僕たちは ~劇団唐組・テント芝居の日々~」が、2月28日(土)、「BS12スペシャル」(夜9:00-10:00、BS12 トゥエルビ[BS222ch]※全国無料)にて放送される。
■劇団唐組の舞台裏に7か月間、密着
唐さんは俳優、作家、演出家として活動し、1967年、新宿・花園神社の境内で行ったテント公演で演劇界に革命をもたらした人物である。赤いテントを使用したことから通称“紅テント”と呼ばれた唐さんのテント公演はアングラ演劇として一世を風靡し、「状況劇場」を経て、1989年に「劇団唐組」を設立。日本各地から若者たちが集まり、寝食を共にしながら俳優修行と旅公演を続けてきた。
2024年5月、座長の唐さんが逝去。劇団に残されたのは、カリスマの面影を胸に唐演劇を追求するベテラン俳優と歳の差25歳を超える若手たちだ。番組では2025年春から秋の公演まで、7か月にわたる唐組の舞台裏を追う。
■ナレーション・柄本時生「歴史やエネルギーを、映像を通して強く実感」
今回のナレーションを担当するのは俳優・柄本時生。放送を前に、柄本から番組にメッセージが寄せられた。
柄本:今回のナレーション収録は、これまで経験してきた中でも非常に楽しく取り組めたお仕事でした。唐組の稽古場や劇団員の姿を追った映像を通して改めて感じたのは、彼らが“劇場の時代”を今も生きている存在だということ。学生運動の余熱が残る時代に生まれた唐十郎さんの演劇が、世代を超えてアンチテーゼとして繰り返されながら継承されてきた。その歴史やエネルギーを、映像を通して強く実感しました。
稽古場の空気や共同生活の濃密さを見ていると、自分が幼い頃から身近にあった劇団の風景を思い出し、どこか懐かしく感じる部分もありました。劇団というものは“見返りなく何かに向かい続ける人たち”で、その熱量はやはり特別だと思います。
「表現を受け継ぐ」とはとても難しいことですが、長年唐組を支える(座長代行の)久保井さんの姿からは、続けることの尊さや葛藤の大きさが伝わってきました。そこにこそ演劇の面白さや時代性があり、僕自身、演じることへの“戦い続ける姿勢”の大切さを改めて感じました。
7か月にわたる唐組の歩みを“声”で伝えながら、こんなにすごい劇団が今も存在していることを、多くの方に知ってほしいと思いました。ぜひ番組をご覧いただき、できれば実際に足を運んで唐組の演劇を“体験”してほしいです。何が起きているのかすぐには分からない——その“得体の知れなさ”こそ、唐組の醍醐味だと思います。


