赤ワインに健康効果があるとはいえ、飲み過ぎは多くのリスクを伴います。アルコールが体に与える負担を理解し、適量を守ることが何よりも大切です。肝臓への影響やアルコール依存症、生活習慣病のリスクなど、過剰摂取がもたらす問題は深刻です。ここでは、赤ワインを飲み過ぎた場合に起こりうるリスクについて、具体的に解説していきます。健康を守るためにも、正しい知識を持っておくことが重要です。

監修管理栄養士:
武井 香七(管理栄養士)
保有免許・資格
管理栄養士資格
赤ワインの飲み過ぎによるリスク
赤ワインに健康効果があるとはいえ、飲み過ぎは多くのリスクを伴います。アルコールが体に与える負担を理解し、適量を守ることが何よりも大切です。
肝臓への影響と代謝の負担
アルコールは肝臓で代謝されますが、過剰な摂取は肝臓に大きな負担をかけます。アルコールが分解される過程でアセトアルデヒドという有害物質が生成され、これが肝細胞にダメージを与えます。短期的には脂肪肝、長期的にはアルコール性肝炎や肝硬変へと進行する可能性があります。脂肪肝は、肝臓に中性脂肪が蓄積した状態であり、初期段階では自覚症状がほとんどありません。しかし、飲酒を続けることで炎症が起こり、肝機能が低下していきます。
肝硬変まで進行すると、肝臓の機能が著しく損なわれ、腹水や黄疸、肝性脳症といった重篤な症状が現れることがあります。肝硬変は不可逆的な変化であり、一度進行すると元に戻すことは困難です。肝臓がんのリスクも高まるため、肝機能に異常がある方は、医師の指示に従って飲酒を控えることが不可欠です。
赤ワインに含まれるポリフェノールには抗酸化作用がありますが、それでもアルコール自体の毒性を完全に打ち消すことはできません。特に、連日大量に飲む習慣がある方は、肝臓の休息日(休肝日)を設けることが推奨されています。休肝日を設けることで、肝臓の回復を促し、さらに負担を軽減することができます。
アルコール依存症や生活習慣病のリスク
赤ワインに限らず、アルコール飲料の常習的な過剰摂取は、アルコール依存症のリスクを高めます。依存症になると、飲酒をコントロールできなくなり、身体的・精神的な健康に深刻な影響を及ぼします。家庭や職場での問題、対人関係のトラブルなど、社会生活全般に支障をきたすことも少なくありません。依存症は本人だけでなく、周囲の方にも大きな負担をかけるため、早期の発見と専門的な支援が重要です。
また、過度の飲酒は高血圧、脂質異常症、糖尿病といった生活習慣病のリスクを高めます。アルコールは血圧を上昇させる作用があり、継続的な飲酒は高血圧の発症や悪化につながります。高血圧は脳卒中や心疾患の主要なリスク因子であり、放置すると命に関わる事態を招く可能性があります。血圧が高めの方や、すでに高血圧の治療を受けている方は、飲酒量を厳しく制限するか、医師に相談することが望ましいでしょう。
まとめ
赤ワインに含まれる栄養素や健康効果、飲み過ぎのリスク、適切な飲み合わせ、保存方法について詳しく解説してきました。赤ワインはポリフェノールをはじめとする有益な成分を含んでおり、適量を守って楽しむことで、心血管系の健康や抗酸化作用といったプラスの効果が期待できます。一方で、過度の飲酒は肝臓への負担や依存症、生活習慣病のリスクを高めるため、自分の体質や生活状況に合わせた適量を守ることが何よりも重要です。食事との相性や保存方法にも気を配り、赤ワインを安全に、そして豊かに楽しむための知識を日常生活に活かしていきましょう。
参考文献
厚生労働省「アルコール健康障害対策」
国立がん研究センター「飲酒と膵がん罹患の関連について」
