大学生のときにゼミで知り合い、仲良くなったシィさんとエーコさん。社会人になってからも交流を続けていた2人は互いに結婚・出産。少し疎遠になった期間があったものの、お互いにママになったことをきっかけに、久々に会うことに。シィさんが、エーコさんの息子くんに赤ちゃんへの接し方をやんわりと注意したことをきっかけに、「シィちゃんって過保護だよね」と言って、独自の子育て論を語り始めたエーコさん。
エーコさんの「先回りせず、あえて見守る」「実体験で学ばせてこそ、身に付くと思う」という子育て方針に納得しつつも、モヤモヤが残るシィさんがいろいろと考えていると、娘ちゃんのほっぺにキスをしようとするエーコさんの息子くんの様子が目に入りました。シィさんは思わず、自分でもびっくりするくらい大きな声で「ダメッ! やめて!」と制止します。
シィさんの大声にびっくりして、エーコさんの息子くんは泣き出してしまいました。慌てて謝るシィさんですが、エーコさんは「いきなり何なの!? 人の子を突然怒鳴るなんて!」と激怒します。
普段から娘ちゃんが虫歯にならないよう、チューしたいのを我慢して、家族には触れ合い方に注意してもらい、食器の共用も避けてきたシィさん。
そのことをエーコさんに伝えようとしますが……。
「うちの子が汚いってこと!?」





理由があったとしても、小さな子どもを泣かせてしまったことに変わりはないので、ひたすら謝るシィさん。
「娘に虫歯菌がうつらないように、キスはしないようにしている」と理由も説明しますが、かえってエーコさんを怒らせてしまいます。
「何それ……。うちの子が汚いって言いたいの!?」
決してそういう意図ではなく、娘ちゃんの歯が生えそろうまでは、口の接触は避けたいというだけなのですが、頭に血が上ったエーコさんは聞く耳を持ってくれません。
「私、傷ついた! キスは外国では当たり前のスキンシップなんだよ? 虫歯菌がうつるとか、そういうあいまいな理由で親にキスしてもらえないなんて、娘ちゃんがかわいそう!」とまくしたてるエーコさん。
「かわいそう……?」
シィさんは思わず、呆然としてしまったのでした。
自分の価値観を「当たり前」や「常識」として、相手の子育てを頭ごなしに否定するのは、やはりどこか違和感がありますよね。家庭ごとに守りたいルールがあるなかで、それを「かわいそう」の一言で否定してしまうのは、あまりに一方的な決めつけです。
相手に強く言われるとつい自信を失ってしまいますが、わが子の健やかな成長を願って続けてきたことを、間違いだと思い込む必要はありません。人それぞれに正解があるからこそ、自分の信念を大切にしながら、周囲の言葉とどう向き合っていくべきかを改めて考えさせられますね。
著者:マンガ家・イラストレーター あべかわ

