え、なぜ?具材は少ないのに、駅弁の記憶が…
まず感じるのは、海苔の香り。次に、おかかごはんのやさしい旨みが広がり、少し遅れて昆布の佃煮のコクが追いかけてきます。
味の主張は控えめなのに、どこか「駅弁を食べている」と感じさせる奥行きがある。なんでだろう? 単なる “コンビニおにぎり” ではない気がします。
正直なところ、最初は駅弁らしさを出すために、具材をぎゅうぎゅうに詰め込んでいるのかもと思っていました。
でも、完全に裏切られました。具材は驚くほどシンプル。それなのに、食べ進めるうちに不思議と駅弁を広げたときのあの感覚が立ち上がってくる……。
なかなか伝えるのがむずかしいのですが、限られた具材のなかで、味だけでなく “記憶” まで再現してくる。そんなおにぎりでした。
本家を食べていなくても、伝わるものがあった
あまりに繊細なつくりだから、「ただのおかかおにぎり」と受け取る人も、もしかしたらいるかもしれません。
実を言うと、筆者自身、本家である郡山駅の「海苔のりべん」をまだ食べたことがありません。それでもなお、このおにぎりからは、長く愛されてきた駅弁の味が、はっきりと伝わってきました。

