奥谷県議が立花孝志氏を「名誉毀損」で訴えた裁判はじまる 注目のポイントを弁護士が解説

奥谷県議が立花孝志氏を「名誉毀損」で訴えた裁判はじまる 注目のポイントを弁護士が解説

●「訴訟告知」ってなに?

今回の訴訟では、原告・奥谷氏から、元日本維新の会の3名の県議に対して「訴訟告知」がなされたそうです。

訴訟告知(民事訴訟法53条)とは、簡単にいえば、訴訟の係属中に、第三者に対して「この訴訟が行われていること」と「結果によってはあなたの権利・利益に影響があるかもしれないこと」を通知し、訴訟への参加を促す手続きです。

告知された人は、原告や被告という当事者そのものにならず、原告や被告を「補助」するために訴訟に「参加」することができます。これを補助参加といいます。(他の参加方法もありますが省略します)

告知を受けた人は、参加するかどうかを決められますし、原告側に補助参加することも、被告側に補助参加することもできます。

なお、一度「参加しない」と表明したあとに、途中から補助参加することも可能です。

●なぜ訴訟告知なの?全員訴えればよいのでは?

奥谷氏側は、なぜこの3名を、立花氏の「共同被告」として訴えるのではなく、訴訟告知をしたのでしょうか。

その理由は定かではありませんが、たとえば以下のようにも考えられそうです。

全員を訴える、ということは、原告が3人を「立花氏と一緒に損害賠償責任を負うべき相手」として訴えることを意味します。 これに対し、訴訟告知は「この訴訟の結果があなたにも影響する可能性があるので、参加するかどうか決めてください」と呼びかける手続きです。

先に述べたように、原告側に参加することも、被告側に参加することもできますが、原告側としては、3人に「原告側として」補助参加することを促しているのではないでしょうか。

今回の裁判では、立花氏は「原告の請求を棄却する」ことを求めて争うそうです。 具体的には、立花氏は、自身の発言が「相当な根拠」に基づいていて、真実だと信じたことが相当だと主張することが考えられます。 そうすると、立花氏としては、「3人から、これだけ確実な情報や資料を受け取っていた」と主張することになりそうです。

しかし、3人としては、百条委員会や内部の話を事細かに立花氏にリークしていたとなれば、立場上様々な責任を問われかねません。

そうすると、3人は「情報提供は限定的で、立花氏が話を大きくしたにすぎない」と主張することが考えられます。これは立花氏の主張として予想されるものとは相反しますし、むしろ奥谷氏側の主張(立花氏の演説は虚偽・デマである)と整合することになります。

そのようなわけで、原告の奥谷氏側としては、3人を立花氏とともに被告として訴えるのではなく、原告側に補助参加することを求めて訴訟告知した、ということは一応考えられます。

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