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育休復帰直後に「内勤配転」は無効、住宅設備会社の男性社員が「パタハラ」訴えた裁判で一部勝訴

育休復帰直後に「内勤配転」は無効、住宅設備会社の男性社員が「パタハラ」訴えた裁判で一部勝訴

住宅設備会社(東京都)の男性社員が、育休から復職した直後に内勤職への配置転換を命じられ、外勤手当の支給を停止されたのは違法などとして、同社を相手取り、配置転換先での就労義務がないことの確認や、未払い賃金などの支払いを求めた訴訟の判決が2月18日、東京地裁であった。

矢崎達也裁判官は、復職後に停止された分の外勤手当と慰謝料の支払いを命じた一方、就労義務がないことの確認などについては原告の請求を退けた。

●「育休復帰初日に内勤へ」外勤手当なくなる

訴状などによると、原告の男性は2018年に同社に入社し、住宅設備建材のリフォーム営業職として勤務していた。2022年10月から約3カ月間の育児休業を取得し、2023年1月に復職した。

復職した当日、会社側は男性の担当を営業職から内勤職に変更した(配転命令1)。これと同時に、それまで支給されていた約5万円の「外勤手当」が支給されなくなったという。

さらに同年4月には、新設部署への異動(配転命令2)を命じられた。

そこで男性は、こうした会社の対応が育休取得による不利益な取り扱いを禁じた「育児介護休業法」に違反するなどとして提訴した。

●復帰直後の異動は「配転命令権限を濫用し無効」

東京地裁の矢崎裁判官は判決で、配転命令1について「原告を外勤営業職として復帰させることによって、連絡や発注に係るミスが生じる具体的なおそれがあるとは認められず、業務上の必要性としてはやや抽象的なものにとどまるといわざるを得ない」「労働者に対し通常甘受すべき程度を著しく超える不利益を追わせるものである」などとして、「配転命令権限を濫用したものとして無効」と判断。

これによって男性が受けた精神的苦痛に対する慰謝料の支払いを命じた。

一方で、配転命令2については、「適正な人員配置を実現する業務上の必要によるものであって、育児休業を理由として行われたものであることや不当な動機・目的をもって行われたことを認めるに足りる証拠はない」として有効と判断した。

また、配置転換先での就労義務がないことの確認の訴えについても、「確認の利益を欠く」として退けた。

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