大阪公立大学大学院理学研究科の研究グループは、納豆菌による発酵によって、大豆に含まれる超硫黄分子の量や種類が増えることを明らかにしました。超硫黄分子は高い抗酸化作用を持ち、生活習慣病予防や老化防止への寄与が期待されている注目の成分です。本研究は、伝統的な発酵プロセスが機能性成分を劇的に進化させることを科学的に証明しました。今回はこの研究内容について、中路先生に伺いました。
※2026年2月取材。

監修医師:
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)
1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。
納豆菌が作り出す「未知の健康成分」の正体とは
編集部
大阪公立大学大学院理学研究科の研究グループらが発表した内容を教えてください。
中路先生
今回紹介する研究報告は、大阪公立大学大学院理学研究科の研究グループらによるものです。この研究では、納豆中の超硫黄分子(過硫化物)の分子プロファイルを調査しました。定量的な超硫黄分子プロファイリングの結果、納豆菌による発酵中に大豆の超硫黄分子含有量が増加することが明らかになりました。総硫黄含有量には有意な変化が見られなかったことから、微生物が既存の硫黄含有分子を超硫黄分子へと生体内変換している可能性が示唆されました。
本研究は、微生物発酵が植物中の超硫黄分子プロファイルを著しく変化させることを明らかにした初めての研究であり、納豆に豊富に存在する多様な超硫黄分子が、納豆の健康増進特性に寄与している可能性を示しています。
次世代の栄養素「超硫黄分子」とは? ニンニクやブロッコリーに秘められた力
編集部
今回の研究テーマに関連する超硫黄分子について教えてください。どんな食材に含まれていますか?
中路先生
超硫黄分子は、私たちの身体の中で酵素的に産生される重要な物質です。この分子は、ミトコンドリアでのエネルギー産生や感染防御、免疫応答など、さまざまな生命現象において重要な機能を果たしています。大阪公立大学大学院理学研究科の研究グループにより、超硫黄分子はタマネギやニンニクなどのネギ属だけでなく、ブロッコリーやコマツナなどのアブラナ属にも多く含まれていることが明らかになりました。これらの野菜には硫黄化合物が豊富に含まれており、健康維持に役立つ可能性があります。
日々の食事において、ネギ属やアブラナ属の野菜を積極的に取り入れることで、超硫黄分子を効率的に摂取し、健康的な身体づくりを目指しましょう。

