「和食の知恵」を科学が証明。納豆がもたらす驚きの硫黄代謝
編集部
大阪公立大学大学院理学研究科の研究グループらが発表した内容への受け止めを教えてください。
中路先生
大阪公立大学の研究グループによる今回の報告は、「納豆」という身近な食品の中で、発酵過程において想像以上にダイナミックな硫黄代謝の変換が起こっていることを分子レベルで明らかにした点で、極めて興味深いです。発酵中に超硫黄分子が増加することが確認されたという今回の知見は、日本人が日常的に摂取する伝統的発酵食品が、機能性食品としても注目すべきものであることを裏付けています。その一方で、「どの種類の過硫化物が、どの程度の量で摂取された際に、ヒトの健康へどのような作用を及ぼすのか」といった点については不明であり、今後さらなる研究による検証が求められます。 それでもなお、ネギ属やアブラナ属野菜に加え、納豆のような発酵食品からも多様な超硫黄分子を摂取できる可能性が示されたことは、日常の食習慣を考えるうえで非常に重要な発見といえます。
こうした知見は、「多様な野菜と発酵食品を組み合わせて食べる」という、従来推奨されてきた食スタイルを支持するものと考えます。
編集部まとめ
今回の研究は、私たちが日常的に口にしている発酵食品が、想像以上に複雑で科学的な変化を経て生まれていることを示しています。発酵は単なる保存や風味の向上にとどまらず、新たな機能性を生み出す可能性を秘めているのかもしれません。今後の研究の進展により、発酵食品の健康価値がより明確になり、食と健康の関係を考える新たな手がかりとなることが期待されます。

